日米野球、大谷翔平、阪神&巨人、ドラフトを落合博満が「オレ流」斬り!

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『TVLIFE』より転載

 

11月14日放送のMBSの番組『戦え!スポーツ内閣』に、プロ野球のレジェンド・落合博満氏がゲスト出演しました。

 

現在の野球解説者の中でも指折りの理論家であり、深読みのできる落合氏が、日米野球や大谷翔平、今季は振るわなかった阪神&巨人、そして2018年ドラフトについて、「オレ流」にブッタ斬りました。

 

同番組の出演者は他に、MCの武井壮とブラックマヨネーズ・小杉竜一(巨人ファン)、元巨人・中日の川相昌弘、元阪神の下柳剛、いきものがかり・水野良樹(巨人ファン)、ココリコ・遠藤章造です。

 

それでは、落合博満の至極の明言の数々をご紹介します。

 

 

日米野球

落合博満は現役時代の1990年、日米野球に出場。あの伝説の名投手ランディ・ジョンソンからホームランを打ちました。その時の映像を見ながら。

 

「オレ、もう野球やっていないんだよ、この時期。日本シリーズに出てなかった選手はみんな休んでたわけ。メジャーから来る連中はもっとヒドイ。何もやっていない、ただ観光旅行に来ているわけ」

 

「生々しい話をすると、我々の1試合の出場料が7万とか10万ですよ。メジャーの選手は、奥さん、子ども、両親と一族全員を連れてきてもいいと。彼らがもらっているのは500万から2000万円。まあ、そういう時代」

 

「彼らにバットちょうだいって貰うんだけど、とてもじゃないけど振れたもんじゃなかった。1200グラムぐらいはあった(当時の日本人選手の平均は900から1000グラム)。扱えるかなと思ったけど扱えなかった。絶対この世界に行ったって無理だと思ったよ」

 

 

大谷翔平

今季MLBに渡った大谷翔平が見事に新人王を獲得。大谷のバッティングに「ダメだし」をし、ネット上でも話題となりました。

 

「ゲーム数からすれば、まさか22本ホームラン打つとは思わなかった。肘を壊して4勝2敗10試合、そこは想定外でしょう。」

 

「あれで、もうちょっとバッティング覚えてくれたら40本くらい打つんじゃない?あの打ち方で20本打つんだから、良くなればその倍はすぐいくでしょう。」

 

まさかの「ダメだし」にスタジオも騒然となります。武井壮が「大谷のバッティングのどこが悪いのか、ひと言だけでも」と説明を求めます。

 

「絶対、みなさんが理解できない言い方をすれば、時間の使い方が下手!」

 

ぽかーんとする出演者。武井がみかねて川相昌弘にふると「タイミングとか間とか、そういうことなのかな」と苦しまぎれのコメントをします。

 

「川相の話からひもといていくと、4~5日はここで・・・」

 

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MBS番組公式HPより

 

阪神&巨人

阪神&巨人の監督交代

「なんで、金本と高橋が辞めたんだろうって、今だに理解不能」

 

「辞める監督(阪神・金本監督)が、来季の打撃コーチに和田一浩を要請しているなんてありえない。ということは、やる気満々だったということ」

 

「志半ばと言うけど、そういうチームを作れなかった、体制をつくれなかったのは監督して甘えなんだよ。何を言われようと『オレはこういう野球をするんだ』というものを作れなかったのが一番の誤算だったのではないの」

 

「年齢的にみれば、高橋、もう1回やりますよ。で、後は誰やります?」

 

「江川(卓)は見てみたい。ずっとそう思ってる。他の人はこういう野球やるんだろうと想像はつくけど、江川の野球だけは想像がつかないから、やらせてみたい」

 

「オレ?絶対にない。もうユニフォーム着るつもりないもん。今の選手の扱い方難しい。オレ、あの練習やらせたら、パワハラ・セクハラって言われるかもわかんない」

 

「今回の阪神についていろいろ考えた。ウェスタンで阪神が優勝してなかったら、どうだったんだろうかって。6位と1位でしょ。ましてファームの選手権で優勝してるわけでしょ」

 

「普通、ファームで優勝する時って、上の成績もいいはずなんです。上も下も戦力が整って戦えてるから。だから6位と1位っていうのは考えづらいんだわ。なぜ、そうなるかは中にいないのでわからない」

 

「ただ、現場じゃなくて別の団体、そういう人が何かたくらんだのかなと。これは知っている人はしゃべれないってわかってしゃべってるんだけど。オレは知らないから」

 

隣の席にいる下柳剛が驚いた表情をして「さっきメイク室で話したじゃないですか。しゃべれないって言ったじゃないですか」

 

「この番組の視聴率を上げなきゃいけないからさー」

 

 

矢野新監督の阪神

「金本は練習してああいう選手になった。それを選手にやってもらいたかったけど、そうならなかった」

 

「矢野が中日に入ってきた時、プロの投手の球をまともに捕れなかったんだ。周りの者から『誰だ、ボールも捕れない奴をとったのは』と言われていた矢野が、日本のプロ野球のキャッチャーでは相当上のランクまでいったわけでしょ。練習しないとプロの世界で飯食っていけないんだと自分で経験してるんで、それをどう選手に教えていくかじゃない」

 

「宮前さん(MBSの阪神担当記者)、阪神の秋季キャンプ、何日休みありました?」

 

「(「18日間のうち3日」との返答に)なんで休ませなきゃいけないの。6位のチームだんだろ!」

 

「秋季キャンプでおそらく80人から90人くらい動いているんですね。おそらく1億5千万円くらいの金がかかっているよね。春のキャンプでは2億から3億なの。なんで遊ばすの?」

 

「監督って、そこまで考えなアカンのか」と下柳。

 

「オレは休んでる暇はないんだろうと思う。これから体力をつけなきゃいけない、技術を覚えなきゃいけないっていうメンバーをわざわざ連れて行って、なんで休ませちゃうの?」

 

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原監督の巨人

「勝たなきゃいけないんだったら、金を使って誰でも連れてくればいい。世の中、そういう動きでしょ。何だ、金で勝利を買うのかと言われるけど、勝たなきゃしょうがない。外国人を4人、今、日米野球やってんだから、いい奴を連れ来りゃいいじゃない」

 

「(新任の元木大介コーチについて)わかんないんだ、これが。現役の時に練習していない奴だから」

 

「コーチの資質っていうのは、飽きっぽい奴はダメなんだ。5時間でも6時間でもノックバットを振っている奴じゃないとダメなんだ」

 

ここで川相昌弘が割って入ります。

 

川相「ノック、落合さんには勝てないです。中日時代、森野、井端、荒木をずっとキャンプでほとんど1人でノックやられてましたから。(あまりの激しさに)森野は本当に死ぬんじゃないかと心配しました」

 

「それ、オレも心配してた」

 

 

2018年ドラフト

金足農業高・吉田輝星

「いやあ、大学行かなくて良かったなと。投手だったらプロの方がいい。4年間ムダにする必要はない。あそこまである程度の完成度があればね」

 

ここから出演者による掛け合いになります。

 

下柳「真っ直ぐはピカイチですけど、スライダー、変化球はゆるむんです。プロはゆるむと振ってくれないんで厳しい」

 

落合「今のプロ野球の投手、90%以上ゆるむよ。ひどいもんだね、今」

 

武井「今、ゆるまずにきっちりと投げているのは?」

 

下柳「菅野」

 

落合「そうね」

 

遠藤「ちなみに、タイガースだったら誰ですか?」

 

下柳・落合「・・・」

 

遠藤「すいません、大丈夫です」

 

落合「オレが監督してた時に、ゆるまないなと思って見てたのは能見。藤川の抑えもいいけど、能見の抑えも考えていいんじゃないのかな。外人使うんだったら能見の方がいいと思う」

 

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大阪桐蔭高・根尾晃

「本人はショートやりたいんでしょ。京田と競争させるの?」

 

「昔話するけど、立浪が中日入ってきた時に宇野がいたんだよ。星野さんが立浪をショートで使うと決めて、宇野がセカンドに回ったの。その後、新人王とったりしたんだけど、最終的にショートからセカンドにいってるの」

 

「だから、競争させてどっちかがいくのならいいけど、与えるってのはどうなんだろうな」

 

「オレだったらセンター守らせるけどね。今、ショートで競争させるのがベストには思えないけどな」

 

「(キャンプの時に)どうせだったら、(宿泊先のホテルの)同じ部屋に入れちゃえばいいんだよ」

 

 

以上、『日米野球、大谷翔平、阪神&巨人、ドラフトを落合博満が「オレ流」斬り!』でした。

何でもあり?「北方領土」解散で衆参ダブル選挙が浮上!

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元外務相主席分析官の佐藤優氏が、安倍首相が北方領土の問題を争点に衆議院を解散し、2019年夏の参議院議員選挙とのダブル選挙を目論んでいると主張しています。

 

北方領土問題についての日本の従来の立場は四島(歯舞・色丹・国後・択捉)の返還でしたが、二島(歯舞・色丹)返還でロシアと手を打ち、その是非を選挙で問うとのことです。

 

 

佐藤優氏とは?

佐藤 優(さとう・まさる):作家、元外務省主任分析官。1960年東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。1985年外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務など、対ロシア外交の最前線で情報収集・分析のエキスパートとして活躍。主な著書に『国家の罠–外務省のラスプーチンと呼ばれて』(毎日出版文化賞特別賞)『自壊する帝国』(新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞)など。最新刊は『十五の夏』。

 経歴にもあるように、佐藤優氏はテレビのワイドショー番組で政界の裏話などを嬉々として語る政治評論家の類ではありません。

 

専門のロシアを中心に世界情勢を分析する外交のプロ中のプロです。特に、北方領土問題については、外務省在籍中に自らが手がけたこともあって、細部にいたるまで把握しています。

 

その佐藤氏が、北方領土問題を争点に衆院解散、衆参ダブル選挙というのですから穏やかではありません。

 

以下、『BUISINESS INSIDER』の記事に従って紹介していきます。

www.businessinsider.jp

 

 

北方領土問題の日本政府の立場

現在、日本とロシアとは、国際法的には戦争状態が続いています。戦争状態を終結させるためには平和条約を結ぶ必要がありますが、今日にいたるまで結ばれていません。

 

平和条約締結に向けての協議は、戦後一貫して行われてきましたが、日ロ(ソ連邦時代を含む)双方の政府・議会が合意したのは1956年の「日ソ共同宣言」です。

 

「日ソ共同宣言」には、平和条約を締結した後、(当時のソ連邦は)歯舞・色丹の二島を日本に返還すると書かれてあります。

 

日本の要求は歯舞・色丹の二島に加えて、国後・択捉を含めた四島の返還です。当時の日本政府は、平和条約を締結し、歯舞・色丹の二島が返還された後も、国後・択捉がどちらに帰属するのかの協議が行えると理解していました。

 

しかしながら、ロシア側は国後・択捉の帰属の問題などは協議されることはないとしており、今もその認識は対立したままです。

 

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そうした認識の対立もあって東西冷戦の最中は、四島即時一括返還を主張していましたが、1993年に当時の細川護煕首相とエリツィン大統領が、四島の帰属問題を解決して平和条約を締結するとした「日露関係に関する東京宣言」に署名しました。

 

これは、四島が日露いずれに属するのかを決めた後、平和条約を結ぼうというもの。つまり、日本4(島)ロシア0(島)、日本3ロシア1、日本2ロシア2、日本1ロシア3、日本0ロシア4という5通りの解決策があることになります。

 

もちろん、日本側は「日本4ロシア0」という解決策で決まると踏み、ロシア側は「日本0ロシア4」ないし「日本2ロシア2」で決まると踏んで、合意しているわけです。

 

繰り返しますが、日本政府の立ち場は、四島がどちらの領土なのかを決めた後、平和条約を締結するというものです。そして、最終目標は、あくまでも四島の返還です。

 

 

日本政府の政策転換

今年(2018年)9月、プーチン大統領は安倍首相に対して、「一切の前提条件を抜きにして2018年末までに日露間で平和条約を締結しよう」と呼びかけました。

 

これは、佐藤氏の解説だと、「ごちゃごちゃ言ってないで、『日ソ共同宣言』の通りにやろうぜ」ということのようです。

 

つまり、日本側が歯舞・色丹の二島の返還で我慢するのなら、明日にでも平和条約が締結できるではないか、ということです。

 

どうやら安倍首相はこのプーチンの呼びかけに応じるようです。なぜなのか?

 

安倍首相は憲法改正を声高に主張し続けています。それは歴史に名を残したいからだと解説されます。

 

憲法改正は一度実現されれば、その後はハードルが下がって何度も改正されることは諸外国の例からも明らかです。何十年か先のテレビのクイズ番組で「憲法が改正された時の首相を5人答えよ」との問題が出されるようでは、安倍首相のプライドが許さないでしょう。

 

しかし、例え二島の返還にとどまっても、北方領土問題の解決となれば、サンフランシスコ平和条約を結んだ吉田茂、沖縄返還を成し遂げた佐藤栄作に続いて、安倍晋三の名は50年後の歴史の教科書にも確実に残ることになります。

 

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要は、歴史に名を刻むには、北方領土問題しかないと安倍首相が思い込んでいるいうのが佐藤氏の解説です。

 

 

衆参ダブル選挙の理由

二島返還で解決をはかるということは、これまでの四島返還という選択肢を完全に捨てることになります。

 

四島の一括返還は安倍政権を支持する保守層に根強く主張されています。だからこそ、この政策の大転換について国民の信を問う、というわけです。

 

また、共産党は千島列島12島返還を主張していますので、こんな非現実的なことを言う政党が加わる野党では北方領土問題は未来永劫にわたって解決しない、と訴えることも可能となります。

 

衆院解散のタイミングとしては、2019年10月に消費税率が10%に引上げられた後は景気が冷え込みますので、それ以降はありえません。

 

2019年10月より前だと、同年4月末に天皇陛下の退位、5月は新天皇の即位となりますので、6月から10月までがしかチャンスはなくなります。

 

しかし、その間の7月に参議院議員選挙が行われます。参院選の前後に衆院選を連続でやるわけにもいかないので、残る選択肢は衆参ダブル選挙だけというわけです。

 

今年9月の沖縄知事選挙で、自民・公明の与党が総力戦で応援した候補が、野党系候補の玉城デニー氏に8万票もの大差で敗れています。野党が共闘すれば、2019年夏の参院選はかなりの苦戦が予想され、もし負けるようなことがあれば、安倍首相が歴史に残す者は何もなくなってしまいます。

 

自民党政権は過去に2回、衆参ダブル選挙を行い、2回とも衆参ともに圧勝しています。こうした成功体験も後押ししているのかもしれません。

 参考文献↓↓

日露外交 北方領土とインテリジェンス (角川新書)

日露外交 北方領土とインテリジェンス (角川新書)

 

 

 

おわりに

佐藤優氏の主張は、ストーリーとしてはあり得ない話ではないと思いました。衆院選は2018年10月にやったばかりで、ようやく1年がたったばかりです。常識的にはありえないのですが・・・。

 

政治家として歴史に名を残したいという思いを持つことは理解できます。逆に、それくらいの意気込みで仕事をしてもらわないと困ります。

 

ただ、実際に、歴史に名を残したかどうかは後の世の国民が決めること。名を残すことが目的となってしまっては、もはや「何でもあり」の政治になってしまいます。

 

以上、『何でもあり?「北方領土」解散で衆参ダブル選挙が浮上!』でした。

反アンチエイジング・・・『下町ロケット』の吉川晃司のようにカッコ良く老いるには?

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『文春オンライン』より転載

 

毎週日曜はTBSのドラマ『下町ロケット』を楽しみにしています。

 

中でもお気に入りは吉川晃司。

 

その独特のオーラは大企業の部長にぴったり。何と言っても、あの白髪の渋さといったらたまりません。

 

一方、実の年齢より20歳も若く見せようというアンチエイジングが盛んとか。それは、男女問わず、若く見られるのは嬉しいのものですが、やはり「年相応」ということも大事かと。

 

そこで、反アンチエイジング・・・『下町ロケット』の吉川晃司のようにカッコ良く老いるには、ということを考えてみました。

 

 

吉川晃司のカッコ良さ

TBSドラマ『下町ロケット』に出演している吉川晃司は、ホントにカッコいいです。デビュー当時と変わらない逆三角形ののボディにスーツが映えていて、それが独特のオーラと相まって、大企業の部長の重厚な雰囲気を作り出しています。

 

また、プロ野球日本シリーズの第6戦では始球式をつとめ、長い足を高々と上げてボールを投げ込む姿は、一言「カッコイイ」。

 

吉川といえば、何と言っても、白髪です。ここ数年はこれを通していたようです。1965年生まれの53歳ですから『下町ロケット』の部長役など、白髪がますます決まる年代となり、「渋カッコ良さ」が際だっています。

 

肌のシミやシワとともに、年を取った象徴ともいえる白髪。俳優ならば一種のコンプレックスとして隠したくなるところを、逆にそのままストレートにさらけ出すことによって、カッコ良さにつなげているところがスゴイです。

 

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『下町ロケット』公式HPより転載

小泉今日子の「反アンチエイジング」宣言

元アイドル・小泉今日子が学者の上野千鶴子との対談で「反アンチエイジング」宣言をしていたことをネットの記事で見かけました。

 

「ずっとアイドルの仕事をしてきて、30代の半ばくらいから『かわいい』って言われる中に、『若い!』という声が入ってくるようになって。これ違くない? 喜んじゃいけないんじゃない? って。

……これ(美魔女現象)には抵抗しなきゃと。私は『中年の星』でいいんじゃないかと思ってます」(『GLOW』より引用)

 

世間ではアンチエイジングが盛んです。テレビ・雑誌などで「この人、本当は何歳?」という写真をみかけます。「実年齢より20歳も若く見られます」とご本人の弁。

 

年齢不詳の「美魔女」なる言葉もささやかれ、サプリや美容整形、レーザーー治療など様々な手法を駆使して「若さ」を手に入れようという人がいるようです。

 

でも、そういう人、例えばメディアに登場する「美魔女」を見ても、少しもカッコいいとか魅力的だとか思わないのです。

 

かえって、痛々しく見えてしまい、あざとい感じが透けて見えるだけで、決して「あのようになりたい」とは思わないのです。

 

 目尻のシワが魅力的に見える、白髪に人生の深みが感じられる、そんな年の重ね方をしたいなあと思います。小泉今日子の「中年の星」はそういう意味ではないでしょうか。

 

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反アンチエイジングとは?

前段の小泉今日子の「反アンチエイジング」宣言は、いつまでも若くありたいという気持ちは間違いだということを言いたいのではないと思います。

 

現在のアンチエイジングブームや「美魔女」ブームに疑問を投げかけたということでしょう。

 

男女を問わず、「いつまでも若くありたい」「若く見られたい」という気持ちは誰もが持っています。このことは決しておかしいことではないですし、ずっと持ち続けるべきだと思います。

 

一方で、「もう若くはないのだ」という気持ちを持つことも大事だと思うのです。もちろん、「若くはない」ことは悲しいことです。でも、その悲しさには、これまで歩んできた人生そのものではないですか。20歳のカッコ良さと50歳のカッコ良さが同じであるはずがないのです。

 

そこで、「いつまでも若くありたい」という気持ちと「もう若くはないのだ」という相反する気持ちを両方とも持ちつつ、吉川晃司のようにカッコ良く老いるかという難問です。

 

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健全なアンチエイジング

医師で作家の米山公啓氏が小泉今日子の発言についてのコメントがヒントを与えてくれます。

 

筋力をつけて代謝をよくしたり、運動してはつらつさをキープしたりするのが健全なアンチエイジングですが、女性が語るアンチエイジングは、美容整形を施したり、高額なサプリを飲んだり、皮膚科のクリームを塗ったりして人工的な要素を含んでいます。

運動して筋肉に張りを持たせてシワを少なく見せるのとは、ちょっと違う。小泉さんはそこにくさびを打ち、軌道修正したのです。 

 

 なるほど、「反アンチエイジング」とは「健全なアンチエイジング」のことだと。「若くないのだから、何もしなくてもいい」というのは、単なるサボりで、それでカッコ良くなるわけがありません。

 

自ら汗を流し、年相応の「若さ」を保つことが「健全なアンチエイジング」ということでしょう。吉川晃司が53歳であの逆三角形の体型を、「反アンチエイジング」と言って何もしていないわけがありません。

 

それならば、私たちオジサン世代も「健全なアンチエイジング」に取り組もうではないか!

 

私たちオジサン世代は「見た目だけの若さ」に価値を置くことから自由になるべきです。

 

以上、『反アンチエイジング・・・『下町ロケット』の吉川晃司のようにカッコ良く老いるには?』でした。

今年は暖冬でカニも高騰?代わりに『ほぼタラバガニ』を食べてみたら・・・

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冬が近づいてくるにつれて、鍋が恋しい季節になってきました。

 

鍋といえば、何と言っても「カニ鍋」が一番!

 

しかし、今年は、カニが過去最高値をつけているとか。さらに、暖冬になりそうなので漁獲量が減り、高騰しそうです。

 

今年は高すぎて手が出そうにないと諦めていたところ、「プライムニュースイブニング」という番組で『ほぼタラバガニ』を紹介していました。

 

試しに、鍋にして食べた見たところ、「ほぼカニ」でした。

 

 

暖冬でカニも高騰?

冬の味覚の王様と言えばカニ。実は、今年はすでに高くなっています。

 

カニは海外からの輸入が多いことは知られていますが、ズワイガニの価格は過去最高値を更新中です。ズワイガニだけでなく、タラバガニも最高値に届きそうな勢いで上昇中です。

 

実際、毛ガニは、昨年は1パイが5000円前後だったのが、今年は1300円アップの6300円にまでなっています。この5年間で2.6倍にまで跳ね上がっているのですから驚きです。

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高騰の原因は、中国をはじめとする東南アジアでの需要が高まってきていることと、海水温の上昇による漁獲量そのものが減っていることがあげられています。

 

また、気象庁はエルニーニョ現象が発生したとみられると発表していますので、日本は暖冬になりやすくなります。暖冬になると、さらに海水温が上昇し、カニ漁獲量の減少に拍車がかかることになり、一層の高騰につながっていくかもしれません。

 

 

カニの代わりに『ほぼタラバガニ』

今年のカニは高すぎて手が出そうにないと諦めかけていたところ、フジテレビ系列の番組「プライムニュースイブニング」で『ほぼタラバガニ』が紹介されていました。

 

これはカネテツデリカフーズが販売している、カニの王様と呼ばれるタラバガニの最も美味しい太い脚の部分を再現した「カニ風味かまぼこ」です。

 

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パッケージには「カニではありません」とわざわざ書かれているのが面白いです。9月1日からの期間限定販売で、4本入りで255円(税抜き)です。

 

今回初めて知ったのですが、『ほぼタラバガニ』は2014年から発売されていて、大ヒット商品なのです。かまぼこのような練り物の主な購買者層は60歳以上の高齢者ですが、これが20~30歳代の若い世代に受け、リピーターが増えたことがヒットの要因となっています。

 

そして、『ほぼタラバガニ』に続いて『ほぼホタテ』、『ほぼエビフライ』『ほぼカキフライ』『ほぼうなぎ』と『ほぼシリーズ』と言われる商品を続々と世に出し、それぞれがヒットを飛ばしているようです。

 

 

『ほぼタラバガニ』鍋で食べてみたら・・・

カニは鍋に限るということで、時期的に早い気がするものの、『ほぼタラバガニ』を鍋にして食べてみました。

 

1本が40グラムの太いスティック状になっていて、一般的な「カニカマ」よりも身が引き締まっています。

 

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鍋に入れてみると、実物のカニのような豪快さはないのは当然として、カニのムキ身に見ようによっては見えるという感じ。ここは我慢です。1本当たり70円程度なのですから・・・。

 

さて、実際に食べてみると、まず、やや練り物感が残ります。本当はかまぼこなのですから仕方ないです。

 

ただ、脚肉部分のプリプリとした弾力のある繊維や口の中でほろほろとほぐれる食感は十分に堪能できます。

 

子どもたちは「これはカニだ、カニ!」「ほぼカニ!」と声を上げ、殻を取る必要もなく食べられることも大いに気に入ったようでした。

 

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ただ、本物だと部位によって味もバラエティーに富んでいて飽きがこないわけですが、これだと脚肉部分の味のみなのでどうしても飽きてしまい、他の具材と同等の扱いというか、メインにはなりきれません。

 

また、シメは雑炊ですが、当り前ですが、カニ雑炊のあの味まではいきませんでした。

 

しかしながら、食卓でなじみがあるものの、高くて手が出にくいタラバガニを、本物よりもリーズナブルに、手軽に味わうには十分な一品だと思いました。タラバガニの代わりとしては十分過ぎるくらい十分です!

 

以上、『今年は暖冬でカニも高騰?代わりに『ほぼタラバガニ』を食べてみたら・・・』でした。

マニアックなキーワードで野球を分析!プロも参考にする『球辞苑』が面白い

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プロ野球も日本シリーズが終わってしまい、オフシーズンとなってしまいました。

 

野球ファンにとっては来春まで待たねばならない寂しい秋でもあります。

 

野球が恋しくなっているあなたにうってつけの番組があります。

 

NHKBSの『球辞苑』。

 

マニアックなキーワードをもとに野球を科学的に分析する、プロ野球深掘り情報バラエティーです。

 

プロの現役選手も参考にしている『球辞苑』の面白さを紹介します。

 

 

『球辞苑』とは?

野球にまつわる究極の辞典『球辞苑(きゅうじえん)』を編さんすることを目的に、マニアックなキーワードを毎回1つピックアップし、現役・往年の名選手が明かす秘話やコンピュータを駆使したデータ分析をもとに、スタジオトークでとことん掘り下げていきます。

 

ピックアップされるキーワードがとてもマニアック。「流し打ち」「アンダースロー」「一塁手」「インハイ」「6番打者」など。

 

マニアックだけれども、マニアック過ぎないものばかりで、ファン心理をくすぐります。他の野球を特集した番組では、「6番打者」だけで1時間番組は作れないでしょう。

 

また、お笑い芸人のチュートリアル・徳井義実(広島ファン)やナイツ・塙宣之(巨人ファン)、プロ野球解説者・里崎智也(元ロッテ)の軽妙かつ熱いトークも見所の1つです。

 

 

プロも参考にする『球辞苑』

現役のプロ野球選手に『球辞苑』のファンが多いのも特徴です。なかでも西武・秋山翔吾選手はゲストとして何度も番組に出演し、「球辞苑ファミリー」と呼ばれる存在です。

 

さらに、キーワード「流し打ち」の回の放送を見てヒントを得て、シーズン最多安打記録を出しているのです。番組にもゲスト出演する野球ジャーナリストのキビタキビオ氏のツィッターにも書かれています。

 

ジャンクスポーツ、秋山選手の『球辞苑』発言を確認。「意外なところで技術を学んだことはある?」という質問に、「NHKの番組で…」(秋山)「テレビで!?」(浜田)から『流し打ち』というテーマで篠塚和典さんの奥義を見て翌年日本記録(最多安打)が出た…と。さすがファミリーw うれしいですね。

 

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また、「ホームスチール」をキーワードとした回を放送して3日後、広島の新井貴浩選手が実際の試合でホームスチールを見事に成功させました。

 

これは『球辞苑』の影響か、と大いに話題となりましたが、新井選手本人に聞くと番組は見ていないとつれない返事。しかし、「いい番組と評判なので、見たことにしてもいいですよ」と善人ぶりを発揮していました。

 

 

初球がボールだと打者はイチローに変身

私が『球辞苑』を見て野球の見方が変わったのは、キーワードが「初球」の回(2017年11月放送)です。

 

番組公式サイトの「初球」回の紹介です。

 

「初球」。バッテリーと打者の勝負は必ずこの1球から始まる。どう投げるか、打ちにいくか、そこには深い読み合いが!「初球」の攻防に光を当てる。

 

「チャンスでバッターは打ち気になっているので、初球はボールにして・・・」「まずはボールになる変化球から入って様子を見て・・・」

 

解説者がよく言うセリフです。しかし、初球をわざとボールにしていいのか?本当に投手にとってプラスになるのか?にスポットがあたります。

 

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 ここで、2008年から2017年の10年間の「初球結果別出塁率」が出されます。これを見ると、初球がストライクだと出塁率は.270前後、ボールになると1割も跳ね上がって.370前後になってしまいます。

 

このデータでスタジオトークが熱を帯びてきます。

 

里崎智也「これはいいデータですねえ」

徳井義実「2010年と2014年、初球ボールやと出塁率3割8分って、これイチローや」

里崎「初球ボールで、並みの打者もイチローさんになるんですね」

 

初球の見方が変わってきませんか?確かに、初球からポンポンとストライクを取れている投手は好投している証拠ですよね。

 

にもかかわらず、初球はボールから入ることが多いのは、「ストライクから入って打たれると怒られるから」(里崎智也)だそうです。

 

ちなみに、番組では「初球に最もストライクをとる投手」も紹介しています。

 

①渡辺俊介(ロッテ)   57.9%

②成瀬善久(ヤクルト)  57.3%

③吉見一起(中日)    56.7%

④内海哲也(巨人)    56.13%

⑤前田健太(広島)    56.11%

 

アンダスローの渡辺俊介投手の1位は意外でした。その理由を渡辺投手は番組内で「あまり見慣れない投げ方なので、初球はみんな様子を見ていた」と述べ、「初球は最も質の良い球を全力で甘いコースへ投げ、打者に振らせてストライクを取る」と言っています。 

 

「なるほど」と納得がいきます。『球辞苑』にはこうした「目からウロコ」の話が盛り沢山です。

 

今年は11月10日からスタートします。是非、1度、ご覧になってください。

 

以上、『マニアックなキーワードで野球を分析!プロも参考にする『球辞苑』が面白い』でした。

バラエティー番組である『イッテQ』にヤラセがあって何が悪い!

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日曜日の午後8時、毎週欠かさず家族で見ているのが『世界の果てまでイッテQ!』です。

 

その『イッテQ』の人気企画「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」でヤラセがあったと週刊紙が報じました。

 

『イッテQ』はドキュメンタリー番組ではなく、バラエティー番組。現実とヤラセを適度に組み合わせながら、健康的なお笑いをお茶の間に届けています。

 

それなのに、ヤラセがあったからと番組打ち切りの話まで出ています。日本テレビは「バラエティー番組にヤラセがあって何が悪い」と開き直れば良いのです。

 

 

『イッテQ』にヤラセ疑惑報道 日テレも一部謝罪

日本テレビ系列『世界の果てまでイッテQ!』の人気企画「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」で、実在しない祭りがラオスの「橋祭り」として放送されたとして、『週刊文春』が報じました。

 

同紙によると、ラオスには「橋祭り」という祭りはないという現地の証言とともに、テレビ局側が持ち込んだ企画として現地にセットが組まれ、参加した地元の人には参加費が渡されたとしています。

 

これを受けて日本テレビは、番組サイドで祭りをねつ造したとの報道を否定しました。ただ、「橋祭り」は同所では初開催であったにもかかわず、毎年行われているかのような誤解を招く表現があったことは認め、謝罪しています。

 

 

『イッテQ』の面白さ

『イッテQ』の面白さを一言で言うと、どうでもいいくだらないこと(時にはエベレスト登頂という快挙)にタレントたちが必死に体を張って挑むところです。

 

皆がお笑いタレントですので多少のウケ狙いはあるにせよ、与えられた課題を真剣にクリアしようとしているからこそ、失敗した時には健康的な笑いがあり、成功すれば素直に感動できるのです。

 

そして、目標達成のプロセスを描いたドキュメンタリーではないことは十分に承知の上。見ていて時々「?」がつくことはしょっちゅうですが、それがいいアクセントとなっているのです。

 

そうした真剣さから伝わる「現実」とテレビ番組として必要な「?」の部分が、嫌みなく混合した内容となっているからこそ、日曜夜のNHK大河ドラマに優るとも劣らない視聴率を叩きだしているのだと思います。

 

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『しらべえ』より引用

 

バラエティー番組とドキュメンタリー番組

ドキュメンタリー番組は文字通り資料映像的な要素がありますから、事実がすべてであり、ヤラセは一切あってはなりません。

 

一方、バラエティー番組はお茶の間に健全な笑いを届けるエンターテイメントであり、そこに多少のヤラセがあってもOKだと思います。

 

問題となった『イッテQ』のお祭り企画は私も見た記憶があります。お祭り男の宮川大輔が橋に見立てた板の上を自転車で速度を上げて渡ろうとしますが、途中にバランスを崩して川に転落します。

 

転落した宮川は「この川、死んでるやん」と絶叫しますが、表情は真剣そのもの。これが文春の言うように祭りそのもが実在しなかったとしても、面白さに変わりはありません。

 

祭りに宮川が参加することを通して、その国の伝統文化を紹介する場面もありますが、決してそれをメインとした番組ではないのです。

 

 

もちろん、ヤラセにも許容範囲というものがあります。ヤラセによって、特定の国や人間を傷つけるようなことがあってはなりません。(今回の件で、ラオス政府から抗議がなされたとの情報には接していません。また、ラオスに抱いていたイメージが損なわれたと視聴者からクレームがあったとも聞いていません。)

 

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『電波少年』の日本テレビの対応

20年ほど前、同じ日本テレビで『進め!電波少年』というバラエティー番組がありました。

 

番組の企画で、お笑いコンビの猿岩石(有吉弘行・森脇和成)がヒッチハイクで香港からロンドンまで行くという人気企画があり、彼らは無事にゴールインして話題を集めました。

 

しかし、全行程をヒッチハイクしたのではないことが発覚します。タイ・ミャンマー・イランの一部は危険地帯であるとして飛行機で移動していたことが明らかになりました。

 

番組ではこの事実を隠していたため、すべてがヤラセではないかとの疑惑まで持ち上がりました。

 

これを受けて日本テレビ側は、「『電波少年』はドキュメンタリー番組ではないので、面白くないところは映さないし言わない。面白い場面だけを見てもらう」旨の発言をしていて、「なるほど、もっともだ」と思いました。

 

テレビ局側も世論におもねるだけでなく、「バラエティー番組にヤラセがあって何が悪い」と開き直ってみてはどうでしょうか。

 

少なくとも、今回の件で番組打ち切りなどという愚かな判断をしないことを望みたいものです。

 

おっと、日本テレビは今回の件ではヤラセはなかったと言っていることを忘れていました。

 

以上、『バラエティー番組である『イッテQ』にヤラセがあって何が悪い!』でした。

メイウェザー『RIZIN』参戦は、日本のカジノビジネス進出への布石か!?

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超ド級のニュースです。

 

ボクシング界の世界的スーパースター、フロイド・メイウエザーが、大晦日に開催される『RIZIN4』に参戦することが発表されました。相手は、キックボクシングの「神童」那須川天心。

 

メイウェザーが日本で見られるというだけで大興奮ですが、冷静に考えてみると、すでに富も名誉も手にしているメイウェザーが日本で試合をするメリットはどこにもありません。

 

なぜ、日本で試合をするのか。

 

それは、先般、日本でもカジノが解禁されたことと深い関係があることがわかりました。

 

 

メイウェザーが『RIZIN』に参戦

それにしても驚きました。50勝0敗のボクシング元5階級制覇王者フロイド・メイウェザーが、大晦日にさいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN4』に参戦すると発表されました。

 

メイウェザーがアメリカ以外の国で試合をするのは初めてのことで、最初の国として日本を選んだのです。

 

これがどれだけ凄いことか。言うなれば、マイケル・ジャクソンが紅白歌合戦に出場するようなものです。

 

対戦相手は、新進気鋭のキックボクサー・那須川天心。ボクシング界のレジェンドとキックボクシング界の神童との対決は、平成最後の異種格闘技戦、平成最後の大晦日を彩る大決戦と言っていいでしょう。

 

 

それでも実現可能性は五分五分

世界の格闘技界を驚かせる夢のビッグマッチに大いに期待したところですが、それでも実現可能性はまだ五分五分でしょう。

 

確かに対戦が発表されましたが、直前になってドタキャンがあるのもこの世界の常です。特に、異種格闘技戦の場合、ファイトマネーと試合ルールで双方が合意に至らず、ご破算になったケースが多々あります。

 

メイウェザーの1試合あたりのファイトマネーは100億円は下らないとされています。「世紀の一戦」と呼ばれた2015年5月のマニー・パッキャオとの試合は、両者のファイトマネーの合計が330億円を超えています。

 

RIZIN側も世界中でのライブ放送を予定し、海外ではペイ・パー・ビューシステムを採用して資金を調達するということですが、果たしてメイウェザーが納得する額が用意できるのでしょうか。

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『スポーツナビ』より転載

そして、試合ルールについても揉めそうです。那須川天心はボクシング・ルールでもやると言っていますが、それだと揉めることはありません。しかし、勝敗が最初から見えてしまうため、興行収入に響いてしまいます。

 

ボクシング・ルールでは禁じ手とされるものを認めないと勝負にはなりません。現在、例としてあげられているのは、1Rにつきキックを2~3回認めるというものですが、メイウェザーがどこまで認めるのでしょうか。

 

ボクシングの現役世界王者のモハメド・アリとプロレスラーのアントニオ猪木の異種格闘技戦で、試合当日までルールを巡って結論が出ず、アリはアメリカに帰国しようとしたのを、猪木側がアリの主張をすべて認めることでようやく試合が実現したという経緯を思い出されます。

 

 

メイウェザー『RIZIN』参戦のメリット

それでも対戦が実現したと仮定します。では、メイウェザーにとってのメリットは何でしょうか。

 

対戦相手がボクシングの世界王者クラスなら、健在ぶりを世界にアピールすることができますが、今回の相手は那須川天心。将来を嘱望されてるとはいえ、世界では無名のキックボクサーです。

 

勝って当然の相手に勝っても、那須川にはボクシング・ライセンスがないために公式記録には残りません(50勝が51勝とはならない)。ましてや、ラッキーパンチを食らってダウンでもしようものなら、商品価値に傷がつくというものです。

 

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『HYPEBEAST』より転載

さらに、ファイトマネーもアメリカでの試合よりも大幅にダウンした額しか得られません。

 

要するに、メイウェザーが参戦するメリットが見当たらないのです。逆に、デメリットの方が多いくらいです。

 

しかしながら、RIZINの榊原信行・実行委員長によると、参戦はメイウェザー側からアプローチがあったと言っています。

 

ということは、ボクシングでリングに上がること以外に、メリットを求めていると言わざるを得ません。

 

 

日本のカジノビジネス進出の布石か!?

実は、メイウェザーは今年9月に来日しています。自身が経営する「メイウェザー・ホールディングス」とボクシングの協栄ジム、ローラやダレノガレ明美らが所属する芸能事務所「LIBERA」と共同で新会社「TMT(The Money Team)」を設立すると記者会見で発表しています。

 

メイウェザーは会見で自身の今後について語りましたが、内容はボクシングの話よりも、日本での新規ビジネスの展開に主眼が置かれていたといいます。

 

なかでも強調されたことは、カジノビジネスでした。今年7月に日本でもカジノが解禁される法律が制定され、新しいビジネスとして成長が見込まれる分野です。メイウェザーは「カジノの世界にどんどん進んでいってビジネスを展開したい」と意欲を示していました。

 

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カジノの本場はラスベガス。ボクシングの最高の舞台もラスベガス。アメリカのエンターテイメント産業の中核にはカジノとボクシングがあり、ボクシングで世界を極めたメイウェザーが引退後にカジノに、特にこれからがスタートの日本のカジノにビジネスチャンスを見つけたということです。

 

現時点で乗り越えなければ壁はあるものの、世界のスーパースターが日本のリングに上がれば、格闘技ファンのみならず日本中の注目を集めることになります。

 

大晦日のリングで日本の格闘技ファン以外にも広くその存在をアピールすることができれば、今後の日本でのビジネス展開に大いに有利に働くこと必至です。

 

アメリカ誌『フォーブス』が今年6月に発表した「世界で最も稼ぐスポーツ選手」で、あのメッシやC・ロナウドを抑えてトップに輝いたメイウェザー。

 

「金の亡者」と揶揄され、悪意を込めて「マネー」と呼ばれるメイウェザーは、目先のファイトマネーなどのメリットよりも、さらなるビッグビジネスを目論んでいるのかもしれません。

 

以上、『メイウェザー『RIZIN』参戦は、日本のカジノビジネス進出への布石か!?』でした。