11月14日放送のMBSの番組『戦え!スポーツ内閣』に、プロ野球のレジェンド・落合博満氏がゲスト出演しました。
現在の野球解説者の中でも指折りの理論家であり、深読みのできる落合氏が、日米野球や大谷翔平、今季は振るわなかった阪神&巨人、そして2018年ドラフトについて、「オレ流」にブッタ斬りました。
同番組の出演者は他に、MCの武井壮とブラックマヨネーズ・小杉竜一(巨人ファン)、元巨人・中日の川相昌弘、元阪神の下柳剛、いきものがかり・水野良樹(巨人ファン)、ココリコ・遠藤章造です。
それでは、落合博満の至極の明言の数々をご紹介します。
日米野球
落合博満は現役時代の1990年、日米野球に出場。あの伝説の名投手ランディ・ジョンソンからホームランを打ちました。その時の映像を見ながら。
「オレ、もう野球やっていないんだよ、この時期。日本シリーズに出てなかった選手はみんな休んでたわけ。メジャーから来る連中はもっとヒドイ。何もやっていない、ただ観光旅行に来ているわけ」
「生々しい話をすると、我々の1試合の出場料が7万とか10万ですよ。メジャーの選手は、奥さん、子ども、両親と一族全員を連れてきてもいいと。彼らがもらっているのは500万から2000万円。まあ、そういう時代」
「彼らにバットちょうだいって貰うんだけど、とてもじゃないけど振れたもんじゃなかった。1200グラムぐらいはあった(当時の日本人選手の平均は900から1000グラム)。扱えるかなと思ったけど扱えなかった。絶対この世界に行ったって無理だと思ったよ」
大谷翔平
今季MLBに渡った大谷翔平が見事に新人王を獲得。大谷のバッティングに「ダメだし」をし、ネット上でも話題となりました。
「ゲーム数からすれば、まさか22本ホームラン打つとは思わなかった。肘を壊して4勝2敗10試合、そこは想定外でしょう。」
「あれで、もうちょっとバッティング覚えてくれたら40本くらい打つんじゃない?あの打ち方で20本打つんだから、良くなればその倍はすぐいくでしょう。」
まさかの「ダメだし」にスタジオも騒然となります。武井壮が「大谷のバッティングのどこが悪いのか、ひと言だけでも」と説明を求めます。
「絶対、みなさんが理解できない言い方をすれば、時間の使い方が下手!」
ぽかーんとする出演者。武井がみかねて川相昌弘にふると「タイミングとか間とか、そういうことなのかな」と苦しまぎれのコメントをします。
「川相の話からひもといていくと、4~5日はここで・・・」
阪神&巨人
阪神&巨人の監督交代
「なんで、金本と高橋が辞めたんだろうって、今だに理解不能」
「辞める監督(阪神・金本監督)が、来季の打撃コーチに和田一浩を要請しているなんてありえない。ということは、やる気満々だったということ」
「志半ばと言うけど、そういうチームを作れなかった、体制をつくれなかったのは監督して甘えなんだよ。何を言われようと『オレはこういう野球をするんだ』というものを作れなかったのが一番の誤算だったのではないの」
「年齢的にみれば、高橋、もう1回やりますよ。で、後は誰やります?」
「江川(卓)は見てみたい。ずっとそう思ってる。他の人はこういう野球やるんだろうと想像はつくけど、江川の野球だけは想像がつかないから、やらせてみたい」
「オレ?絶対にない。もうユニフォーム着るつもりないもん。今の選手の扱い方難しい。オレ、あの練習やらせたら、パワハラ・セクハラって言われるかもわかんない」
「今回の阪神についていろいろ考えた。ウェスタンで阪神が優勝してなかったら、どうだったんだろうかって。6位と1位でしょ。ましてファームの選手権で優勝してるわけでしょ」
「普通、ファームで優勝する時って、上の成績もいいはずなんです。上も下も戦力が整って戦えてるから。だから6位と1位っていうのは考えづらいんだわ。なぜ、そうなるかは中にいないのでわからない」
「ただ、現場じゃなくて別の団体、そういう人が何かたくらんだのかなと。これは知っている人はしゃべれないってわかってしゃべってるんだけど。オレは知らないから」
隣の席にいる下柳剛が驚いた表情をして「さっきメイク室で話したじゃないですか。しゃべれないって言ったじゃないですか」
「この番組の視聴率を上げなきゃいけないからさー」
矢野新監督の阪神
「金本は練習してああいう選手になった。それを選手にやってもらいたかったけど、そうならなかった」
「矢野が中日に入ってきた時、プロの投手の球をまともに捕れなかったんだ。周りの者から『誰だ、ボールも捕れない奴をとったのは』と言われていた矢野が、日本のプロ野球のキャッチャーでは相当上のランクまでいったわけでしょ。練習しないとプロの世界で飯食っていけないんだと自分で経験してるんで、それをどう選手に教えていくかじゃない」
「宮前さん(MBSの阪神担当記者)、阪神の秋季キャンプ、何日休みありました?」
「(「18日間のうち3日」との返答に)なんで休ませなきゃいけないの。6位のチームだんだろ!」
「秋季キャンプでおそらく80人から90人くらい動いているんですね。おそらく1億5千万円くらいの金がかかっているよね。春のキャンプでは2億から3億なの。なんで遊ばすの?」
「監督って、そこまで考えなアカンのか」と下柳。
「オレは休んでる暇はないんだろうと思う。これから体力をつけなきゃいけない、技術を覚えなきゃいけないっていうメンバーをわざわざ連れて行って、なんで休ませちゃうの?」
原監督の巨人
「勝たなきゃいけないんだったら、金を使って誰でも連れてくればいい。世の中、そういう動きでしょ。何だ、金で勝利を買うのかと言われるけど、勝たなきゃしょうがない。外国人を4人、今、日米野球やってんだから、いい奴を連れ来りゃいいじゃない」
「(新任の元木大介コーチについて)わかんないんだ、これが。現役の時に練習していない奴だから」
「コーチの資質っていうのは、飽きっぽい奴はダメなんだ。5時間でも6時間でもノックバットを振っている奴じゃないとダメなんだ」
ここで川相昌弘が割って入ります。
川相「ノック、落合さんには勝てないです。中日時代、森野、井端、荒木をずっとキャンプでほとんど1人でノックやられてましたから。(あまりの激しさに)森野は本当に死ぬんじゃないかと心配しました」
「それ、オレも心配してた」
2018年ドラフト
金足農業高・吉田輝星
「いやあ、大学行かなくて良かったなと。投手だったらプロの方がいい。4年間ムダにする必要はない。あそこまである程度の完成度があればね」
ここから出演者による掛け合いになります。
下柳「真っ直ぐはピカイチですけど、スライダー、変化球はゆるむんです。プロはゆるむと振ってくれないんで厳しい」
落合「今のプロ野球の投手、90%以上ゆるむよ。ひどいもんだね、今」
武井「今、ゆるまずにきっちりと投げているのは?」
下柳「菅野」
落合「そうね」
遠藤「ちなみに、タイガースだったら誰ですか?」
下柳・落合「・・・」
遠藤「すいません、大丈夫です」
落合「オレが監督してた時に、ゆるまないなと思って見てたのは能見。藤川の抑えもいいけど、能見の抑えも考えていいんじゃないのかな。外人使うんだったら能見の方がいいと思う」
大阪桐蔭高・根尾晃
「本人はショートやりたいんでしょ。京田と競争させるの?」
「昔話するけど、立浪が中日入ってきた時に宇野がいたんだよ。星野さんが立浪をショートで使うと決めて、宇野がセカンドに回ったの。その後、新人王とったりしたんだけど、最終的にショートからセカンドにいってるの」
「だから、競争させてどっちかがいくのならいいけど、与えるってのはどうなんだろうな」
「オレだったらセンター守らせるけどね。今、ショートで競争させるのがベストには思えないけどな」
「(キャンプの時に)どうせだったら、(宿泊先のホテルの)同じ部屋に入れちゃえばいいんだよ」
以上、『日米野球、大谷翔平、阪神&巨人、ドラフトを落合博満が「オレ流」斬り!』でした。