寒い冬の日、スマホの電池の減りが早いと感じたことはないでしょうか。
しっかりと充電して100%にしたにもかかわらず、気がつくと残量が30%だったという経験をした人もいるでしょう。
こうした現象は一種の「都市伝説」のように語られることもありますが、実は、寒くなるとスマホ電池の性能が低下し、減りが早くなることは科学的に実証されていて、ホントだったのです。
寒いとスマホ電池の性能が低下
自動車を運転する人は、冬場はバッテリーが上がりやすいということをよく聞かされています。また、冬山を登山した際、デジカメのバッテリーが急速に減っていくという話を聞いたこともあるでしょう。
要は、同じことがスマホの電池にもおこっていると考えればわかりやすいかと思います。
多くのスマホで使用されているのはリチウムイオン電池です。この中身は化学物質で、「電極と電解質から成り立ち、電子が流れることにより電流が発生する」という仕組みです(遠い昔に理科で習ったような)。
気温が低いと、電池内にある電解質のなかの化学物質が不安定になり、うまく移動できなくて供給できる電力が不安定になってしまいます。
その結果、スマホに供給される電力が少なくなり、減りが早くなるというわけです。
人間も寒いと動きが鈍くなりますが、電池も同じことだと考えるのが一番わかりやすいかもしれません。
肌身離さず持ち歩くのがベスト
なかには、とても寒い日でも電池の減り具合はいつもと同じだったという人もいます。
これは、例えば、ポケットに入れて持ち歩いている人で、体温が伝わる場所に入れていたために、寒さの影響を受けにくかったと考えられます。
体に近い場所、体温が伝わりやすい場所に入れて移動していると、寒さの影響をかなり抑えることができます。
ただ、最近のスマホは大型化しているために、ポケットなどには入りにくくなりました。ポケットではなくカバンに入れて屋外に長くいると、寒さの影響をもろに受けることになります。
やはり、内ポケットなどに入れておくことがベスト。あるいは、ネックストラップをつけて首にぶらさげ、上着やコートの内側に絶えず入れておいてもいいでしょう。
ポケットに入らないサイズのスマホを、やむを得ずカバンに入れておく時は、定期的に脇の下などに抱え込んでやれば、電池の性能が低下していても、ほとんどの場合は回復します。
急激にスマホを温めてはダメ
電池が減って困ったからといって、急激に温めてはいけません。
例えば、ストーブの前に置いてみたり、カイロを直接あててみたり、ドライヤーの熱風をかけてみたり・・・
こうしたことをやると、スマホ本体内部に水滴ようなものが発生し、故障する原因となってしまいます。
iPhoneの場合でいうと、使用する場所の気温は0度から35度が適温とされていますので、体温で温めるのがベストということになります。
暑い日も電池の減りは早い?
暑い日や夏の炎天下でもスマホ電池の減りが早いという話をする人がいます。
結論からいえば、これはウソ。
繰り返しになりますが、スマホ使用の適温は0度から35度ですので、人が普通に生活できる環境においては「暑いから電池が減る」ということはありません。
ただ、ゲームやカメラ使用などでスマホが熱くなってきたと感じたら、涼しい場所に置いて少し休ませるのがいいようです。
気をつけたいのは、熱くなったスマホをポケットやカバンにしまわないことです。密閉されたところに入れてしまうと、熱がこもってしまってさらにスマホが熱くなり、電池を劣化させることになるからです。
ちなみに、温度があがりやすいゲーム等のアプリを充電しながら利用していると、さらに温度を上げてしまい、電池に大きな負担をかけますので劣化の原因となってしまいます。
以上、『「寒い日はスマホ電池の減りが早い」はホントだった!では、その対策は?』でした。