夏の風物詩といえば、セミ。
ミーン、ミーンの鳴き声を聞くと真夏を感じてしまいます。
今年は連日の猛暑。朝方にはうるさいくらい聞こえていたセミの鳴き声が、昼に近づくにつれて聞こえなくなりました。
調べてみると、どうやら、セミも気温35度を超えると活動をやめることがわかりました。さらに、地震の前兆だという怖い説も。
毎日、鳴きたくなる、いや、泣きたくなる暑さですのにね・・・。
東京都内で歴史的な猛暑に
(2018年)7月23日、東京都内では青海で気温が午後1時には40度を超えました。
今までの都内の最高気温は2004年7月20日に、都心で観測された39.5度でした。これを上回り、歴史的な猛暑となっています。
日本を襲う記録的な猛暑は海外のメディアにも報じられています。
BBCは、「日本の猛暑、焼け付くような気温で警報」という見出しで、「(熱中症による)死者が出るほどの猛暑に、日本は注意・警戒を余儀なくされている」と伝えています。
また、ワシントンポストは、「日本を襲う記録的な長期間におよぶ猛暑」というタイトルで、「集中豪雨につづく過酷な暑さで、壊滅的な天気が日本を苦しめている」と報じています。
セミが昼間に鳴いていない?
夏の風物詩といえばセミ。ミーン、ミーンという鳴き声で真夏を実感します。
朝は目覚まし時計に起こされるより、セミのけたたましい鳴き声で目が覚めるという人も多いのではないでしょうか?
朝方に聞こえていた鳴き声も、気温が上がる昼間にはほとんど聞こえなくなっています。暑ければ暑いほど、活発に活動しそうなイメージがあるだけに意外に感じてしまいます。
日本のセミは、クマゼミとミンミンゼミは午前中、アブラゼミとツクツクボウシは午後、ヒグラシは朝夕、ニイニイゼミは早朝から夕暮れまで、と種類によって鳴く時間が大別されるそうです。
それなら、午後に鳴くというアブラゼミやツクツクボウシ、ニイニイゼミは一体どうしたのでしょう?
セミも35度を超えると活動が鈍る
一般的にセミは朝方から鳴き始め、昼になると休息を取り、夕方になるとまた活発に泣き出すようです。ただ、このタイミングに気温が大きく関係しています。
日本各地にいるクマゼミなどは気温が高い場所を好む傾向があり、30度を超えたあたりが最も活発になります。
でも、気温が高すぎても良くないようです。奈良県橿原市にある「昆虫館友の会」の宮武会長は「クマゼミは35度前後になるとあまり鳴かなくなる。雨の日など気温の低い時もあまり鳴かない」と話しています。
35度を超える猛暑の日が続いてしまうと、セミも極端に活動が鈍ってしまうようです。前出の宮武会長は「35度を超える日が続くと、セミも暑さに耐えきれず危険な状態になる」とし、「人間でいう熱中症のようなもの」と述べています。
夏の風物詩のセミが熱中症?
いずれにせよ、セミの鳴き声が聞こえなくなった時、それは「危険な暑さ」になったという合図と言っていいかもしれません。
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セミが鳴かないのは地震の前兆?
歴史的に遡ってみると、セミが鳴かない夏が結構あって、いろいろな関係が取り沙汰されていたようです。
古くから言われていて特に怖いと感じたのは、セミと地震との関係性です。
1923年(大正12年)の7月から8月にかけて、現在の神奈川県川崎市多摩区の一帯ではセミがまったく鳴かない夏であったと文献に記されています。また、埼玉県や伊豆半島でもセミが鳴かなかったと記録されています。
そして、同年9月には関東大震災が起こっています。
また、1707年(宝永4年)には現在の三重県亀山市で、「蝉の声悉く打ち止まん・・・一帯真夜中の様に静寂也」と記し、天変地異の前触れではないかと恐れた村民が役人に申し出たという記録が残っています。
死者2万人ともいわれる宝永大地震はその年の10月に起こりました。さらに、同年11月には宝永大噴火と呼ばれる富士山の噴火が起こっています。
セミは幼虫として3年から17年、地下で生活しています。セミは地下で地震の前兆現象を感じ取り、成虫として地上に出るのをやめるのだと説明されています。
おわりに
セミが鳴かない理由としては、猛暑が原因ということが一般的でしょう。蚊も35度を超えると活動が極端に鈍りますから。
ただ、セミと地震の関係でいえば、ここ300年ほどの間に2回の大地震との関係性を指摘されると、過日の大阪府北部地震や西日本の豪雨災害のこともあって、簡単に一笑に付すわけにもいかない気が・・・。
10年近く幼少期を地中で過ごしたセミの本能がなせる技なのか、などと考えるとよけいに汗が出てきました。