ドローンの操縦方法を学べる講習を行う自動車学校が増えてきていると聞きました。
動画撮影や農作業、宅配便への活用などドローンの需要が高まっているなか、実技を学ぶ機会を提供するのが狙いだそうです。
そして、その自動車学校の講習を受けると、大きなメリットが得られるということをご存じでしょうか?
なぜ、自動車学校がドローン講習を?
全国の指定自動車学校の数は右肩下がり。1988年には約1500ヶ所あった自動車学校は、2016年には200ヶ所あまり減って約1300ヶ所になってしまいました。年間の卒業生も約260万人から約160万人にまで落ち込みました。
人口減少・少子高齢化が進んで若い世代の絶対数が減少しました。また、その減少した若い世代の自動車運転免許保有率も右肩下がり。若者の自動車離れは、自動車学校の経営を圧迫しています。
そのような自動車学校がドローン講習を行う理由は何でしょうか。
そもそも自動車学校には、ならではの強みがあります。教習コースを有しているので大きな敷地が確保されていますし、交通法規を学ぶ教室もあります。さらに、まったくの初心者を教育してきたノウハウも蓄積されています。
ドローンを飛行させるのに十分な敷地があるという設備面のメリットのほかに、自動車の教習で培ってきた人的なノウハウを活かせば、ドローンについても十分な講習が実施できるというわけです。
自動車学校の生き残り戦略とはいえ、「陸とともに空の交通安全を自動車学校が担っていく」と関係者の鼻息は荒いです。
自動車学校のドローン講習
自動車学校が実施するドローン講習は、ドローンの飛行のガイドラインの策定や操縦者の育成を推進している「一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)」が作成した教育プログラムに沿って実施されます。
講習は自動車の教習をしていない空き時間を活用して、学校の敷地内で受講生はドローンの操縦を学びます。上空での旋回やGPSなしでの操縦、自動での航行など10時間以上の飛行訓練が行われます。
さらに、ドローン自体の仕組みや航空法・電波法などの法律、気象や環境などについての講習を教室で受けることになります。教室での講習は6時間以上となります。
全体の講習期間は、学校によって異なりますが、だいたい4日間から7日間となります。気になる受講料ですが、20万円~30万円というところです。
講習をすべて終えると、「JUIDA」認定の証明書が発行されます。実は、この証明書によって大きなメリットが得られるのです!
ドローン講習証明書のメリット
ドローンを飛行させる際には、様々な法律による規制を受けます。例えば、空港周辺や地上150メートル以上の上空、建物や人から30メートル未満の人口密集地など、制限されている場所での飛行には国土交通省へ飛行申請を行い、許可をもらわないといけません。
国土交通省は2017年4月から講習内容や管理体制などの要件を満たした講習団体を航空局のホームページに掲載しています。
このホームページに掲載されている自動車学校のドローン講習受講の証明書があれば、飛行許可申請の際に、本来なら必要とされる操縦の知識や能力に関する確認が簡略化されることになっています。
役所への申請手続きはどんな種類のものであっても面倒なものです。ちょっとした不備でも許可されなかったという経験は誰にでもあるでしょう。
それが証明書さえあれば、手続きが簡略化されてスムーズに進むというのですから、大きなメリットだと言えるでしょう。
想像するもう1つのメリット
ドローンの需要は今後も増大していくことは確実です。「JUIDA」認定の証明書の取得者は2018年7月1日時点で5000人ほど。
今、ドローンは空撮や農作業、点検などの用途で活用されていますが、将来的には物流などサービス市場を中心に拡大が見込まれており、10万人以上の規模の操縦者が必要となってくるとの指摘があります。
現在、ドローンの操縦について免許制とはなっていません。しかし、操縦者が増加していくにつれて様々な問題がおこり、結果として免許制が導入されたとしても不思議ではありません。
その時、「20××年以前に証明書を取得している者には自動的に免許が与えられる」とならないとも限りません。
そうなれば大きなメリットがもう1つ増えることになります。まあ、勝手に想像している域を超えていませんが。
以上、『自動車学校でドローンの講習を受けると大きなメリットが得られる!』でした。