【高校野球】野球部員の女子マネージャーが伝令に行って何が悪い!

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今、高校野球の地方大会が真っ盛り。私の母校も無事、1回戦を突破しました。

 

悲喜こもごもの話題が各地から伝えられますが、福島県大会で女子マネージャーが伝令に行った試合があり、高野連から「注意」を受けたそうです。

 

地方には野球部員の少ない高校があり、女子マネージャーも貴重な戦力です。彼女らが仲間のピンチに伝令に行って何が悪いというのでしょうか?

 

 

 

 

「革靴スカート女子部員が伝令」

『日刊スポーツ』に面白い見出しが踊っていて、思わず見入ってしまいました。その見出しは、「審判員困惑よそに珍事、革靴スカート女子部員が伝令」。同紙の記事を抜粋して紹介します。

 

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出典:『日刊スポーツ』

福島大会で女子記録員が、マウンドに上がる珍事が起きた。・・・4回表、2死一、三塁で景山髙見監督が伝令を送った。白線をまたいで選手の輪に走って加わったのは、革靴にスカートの制服姿の女子だった。

福島県高野連の担当者も「あれっ、いいの?って感じでまずいなと思った。本部に問い合わせようとしたら、終わってしまった」と困惑していた。同校の野球部員は15人だが、都合によりベンチ入りは男子9人と女子記録員1人のみ。苦肉の策だった。高野連側は「次からは特例として捕手をベンチ前に呼んで伝えてください」と”厳重注意”した。

(伝令に走った女子記録員は)普段は一緒に練習し、女子部員登録もされている。明るく優しい笑顔で声をかけた効果?か、伝令後は後続を断った。髪をなびかせながら女子記録員(3年)が軽快にベンチに戻ると、スタンドから拍手と激励の声が飛んだ。

 

 

女子マネの伝令がダメな理由

ピンチの際にマウンド近辺に内野手が集まり、そこへ監督の指示を受けた控え選手が笑顔で駆け寄ってきて・・・。高校野球ならではシーンです。

 

高校野球ではプロ野球とは違って、マウンドに監督が行くことを禁止しています。したがって、監督の指示などを伝えるためにベンチにいる控え選手がマウンドに行くことになります。

 

これは「伝令」と呼ばれ、選手登録された選手(背番号がついている選手)でなければならないと決まっています。

 

福島県大会の出来事は、選手登録していない選手が伝令に行ったことが決まりに反するとされて”注意”されたということです。

 

ちなみに、伝令に行った女子マネージャーは当該高校の野球部に部員登録されてはいますが、選手登録はされていません。伝令に行かせた監督もそのあたりを混同してしまったのかもしれません。

 

 

甲子園は女子マネがグランドへ

夏の甲子園大会では、大会開幕前に出場校による甲子園練習が行われます。2016年の甲子園練習に、大分高校の女子マネージャーがユニフォーム姿でグランドに立ち、ノックの球出しの手伝いをしたところ、大会関係者に制止されて物議を醸したことがありました。

 

このことを契機に、規則の変更が行われ、2017年の大会からは「選手と見分けがつくよう学校のジャージ等を着用」「人工芝部分での活動に制限」という条件付きで、女子マネージャーも甲子園のグランドに立てるようになりました。

 

ただ、2017年大会では、二松学舎大学附属高校の女子マネージャーが、試合開始前の整列への「飛び出し」の練習に加わった際、人工芝部分からはみ出ていたということで、注意を受けています。

 

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女子マネージャーは貴重な戦力

最近のサッカー人気に押されてか、野球部に入部する生徒は減少する傾向にあります。単独では9人に満たないため、他校との合同チームを作って大会に参加するというのは普通にあります。ちなみに、福島県大会の女子伝令を送ったチームは5校の合同チームでした。

 

また、そこまではいかくても紅白戦ができない18人以下の部員のところはたくさんあります。

 

そうしたなか、女子マネージャーの役割は従来の部員のお世話係的なものから、練習の手伝い、技術面のアドバイスまで拡大しています。そうしないと練習が成り立たないチームが出てきたのです。

 

ノックの球出しは当り前で、自らノックバットを振り「腰が高い!」と技術指導も行います。部員が多くいるチームでも、彼女らの外部からの目線でのアドバイスは欠かせないともいいます。

 

中学時代に甲子園での活躍ぶりをテレビで観て感動し、「あの高校のマネージャーになりたい」とわざわざ越境入学する女子生徒までいるのです。

 

もはや、女子マネージャーはチームの貴重な戦力。大会前に、マネージャーに背番号「0」のユニフォームを渡しているチームもあります。

 

 

「女人禁制」の高校野球

かつて、大相撲の土俵には女性が立ち入ることはできないという「女人禁制」が問題となりました。高校野球、というより高野連も女人禁制の考えを持っているのではないかと思ってしまいます。

 

福島県大会の女子の伝令は、選手登録をしていない選手が伝令に行ったことがルール違反ということになっていて、女人禁制とは別問題だと考えがちです。でも、そもそも選手登録が可能なのは「男子生徒」と規則に定められています。

 

選手登録についての高野連の大会規則

「その学校に在学する男子生徒で、当該都道府県高校野球連盟に登録されている部員のうち、学校長が身体、学力及び人物について選手として適当と認めたもの」 

 

 また、女子マネージャーが甲子園のグランドに立てるとはいえ、人工芝部分のみ。甲子園の人工芝は、フライを追った選手が客席のフェンスに近づいたことを分からせるために設けられたものなので、客席・ベンチから数メートルしかありません。

 

この人工芝部分から出るなというのですから、やれることはタイムキーパーと声出しくらいです。

 

高野連は「危険防止のため」といいますが、すでに彼女らは学校の練習で体験済み。危険察知の能力は、高野連のお偉方よりも数段上です。なのに、かたくなに土の部分には入れようとしません。

 

甲子園は高校野球の「聖地」と呼ばれます。「聖地」に立ち入るのは穢れなき者のみであるから女人禁制。こうなれば、もはや高校野球は「神事」となってしまいます。まあ、「神事」なら高野連が定めた様々な時代遅れのルールも理解ができるというものですが。

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追記 女性部長が甲子園の打席に

第100回甲子園大会(2018年8月5日開幕)の出場校による甲子園見学が行われました。通常なら「甲子園練習」ですが、100回大会で出場校も多いため「見学」となりました。

 

ボールは使えないため、各校がノックのふりなどで感触を確かめる中、初出場の白山(三重県)の川本牧子部長が選手や監督に手招きされ、打席へ。右打席に入り、力強くスイング。これには選手も拍手喝采だったが、大会関係者に制止され、注意を受けました。

 

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部長といえば監督の上位にある人です。甲子園の打席に自ら入って感触を確かめ、チームの作戦に役立てるのは、監督と並んで部長の役割と言えなくもありません。

 

それでも、高野連は怒ります。「女性だからいけないのではなく、背番号をつけてない選手がやってはいけない」とのことですが・・・。

 

高野連は、やはり、聖地の土が女性に穢されるとでも思っているのでしょう。

 

おわりに

何も女子も男子と一緒にプレーさせろと言っているのではありません。

 

女子マネージャーが日頃からチームで担ってきた役割・力を、試合や試合前の練習でも発揮させてやるべきだと考えるのです。普段通りの野球を球児にやらせてあげたいのです。

 

女子マネージャーが伝令にマウンドに行ってもいいではないですか!

 

ただ、その場合、監督もユニフォームを着ているのですからマネージャーも着るべきでしょう。革靴ではなくて、せめてスニーカーを履くこと。革靴だとグランドに跡が残ってしまいますからね。

 

以上、『【高校野球】野球部員の女子マネージャーが伝令に行って何が悪い!』でした。

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