飲酒運転でひき逃げをしたとして逮捕された元「モーニング娘。」の吉澤ひとみが、保釈金300万円を納めて保釈されました。
覚せい剤使用で逮捕された元プロ野球選手の清原和博氏の保釈金は500万円だっただけに、吉澤ひとみの300万円は高いのか、安いのか、よくわかりません。
そこで、保釈金について調べていくと、吉澤の300万円は「高過ぎない」ということがわかりました。
飲酒ひき逃げの吉澤ひとみ 保釈される
酒気帯び状態で車を運転し、ひき逃げをしたとして自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の罪で起訴された元「モーニング娘。」の吉澤ひとみ被告(33)が27日、勾留先の警視庁原宿署から保釈された。保釈金は300万円。
吉澤被告の量刑について、フラクタル法律事務所の田村勇人弁護士は「1年6月から2年の懲役、執行猶予4年程度になるのではないか」と話した。26日に吉澤被告は自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の罪で起訴された。田村氏は「過失運転致傷、酒気帯び運転、救護義務違反が適用される可能性が高い」と説明した。
今月6日に逮捕され、16日が勾留期限だったものの、10日間延長。逮捕後の吉澤被告は時間がたつにつれて供述内容が変わっており「曖昧な供述をしたため、裏付け捜査に時間がかかったのだろう」と分析した 。(引用:スポニチ)
吉澤ひとみが釈放されました。事件の悪質性などを考えると、交通刑務所に収監されると思っていましたので、正直、驚きました。
もう一つ、驚いたことは、300万円という保釈金の額です。覚せい剤使用で捕まった元プロ野球選手の清原和博氏の保釈金が500万円だっただけに、その額が高いのか安いのか、妥当なのかがわからなかったからです。
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保釈・保釈金とは?
吉澤ひとみのような芸能人が保釈金を払って保釈されると、決まって、「金持ちだけが保釈されるのはおかしい」との声があがったりします。
これはまったくの誤解にもとづくもので、誰でも一定の条件が満たされれば、保釈されることができます。
そもそも保釈とはどういう制度なのか?
容疑者を逮捕し身柄を拘束するのは、証拠等の隠滅を防ぎ、裁判への出頭を確実にするためです。
この目的を達成するための方法は、1つは容疑者の身柄を拘束することですが、もう1つは、約束した条件を守れなかったら金銭を没収するという経済的ダメージを与える形で強制を加えるものです。
約束した条件とは、例えば、証拠隠滅をしない、逃亡しない、裁判には欠席しない、などが一般的です。
この条件を守ることを約束し、指示されたお金(保釈金)を納めれば、保釈されることになります。したがって、条件を守れなかったり違反した場合には、保釈は取り消されてしまい、納めた保釈金は没収され、返還されません。
逆に、条件をしっかりと守り、裁判が終わった場合には、判決の中身にかかわらず、保釈金は全額返還されます。
吉澤ひとみのケースでも、証拠隠滅をしない、裁判に欠席しないなどを条件に保釈が認められたと推測されます。
ちなみに、急に一度に数百万円もの保釈金は用意できないという人のために、低利で保釈金専用で貸し付けをしてくれる機関(「日本保釈支援協会」)があるそうです。
平均的な保釈金の額
まず、過去の有名な事件の保釈金を調べてみました。
- 浅田 満 ハンナン事件 20億円
- 竹井博友 脱税 15億円
- 司 忍 銃刀法違反 10億円
- 村上世彰 村上ファンド事件 7億円
- 堀江貴文 ライブドア事件 5億円
- 金丸 信 金丸事件 3億円
- 井川意高 大王製紙事件 3億円
- 田中角栄 ロッキード事件 2億円
- 江副浩正 リクルート事件 2億円
- 堤 義明 西武鉄道株事件 1億円
- 角川春樹 コカイン密輸 1億円
- 小室哲哉 著作権詐欺 0.7億円
- 野村沙知代 脱税 0.5億円
有名企業の経営者や大物政治家は1億円以上の保釈金を納めています。では、一般人ならどうでしょうか。
古いデータですが、2001年に保釈された人の保釈金額がまとめられていました。
- 100万円未満 1.4%
- 100~150万円 15.2%
- 150~200万円 34.5%
- 200~300万円 31.5%
- 300万円以上 17.4%
こうしてみると、保釈された人のうち、80%以上の保釈金額は150~300万円となっています。
一般サラリーマンの平均年収は400万円前後といわれますので、そのことから平均的な保釈金額が150~300万円となっているものと考えられます。
保釈金の額の決まり方
保釈金の額の決まり方は大きく2つあります。
1つは事件の大きさ。重大事件で長期の懲役刑などが見込まれる場合、保釈を認めると証拠隠滅や逃亡をはかって罰を逃れようとする可能性が高くなります。このような場合には、保釈金を高く設定して条件違反をやりづらいようにします。
逆に、軽い事件で執行猶予が確実な場合には、低めに設定されます。この手の事件では、150万円が相場になっているようです。
2つめは被告人の経済力。保釈金を納めた被告人が「返還されないと困る」と感じる程度の金額が設定されます。年収300万円の被告人が200万円の保釈金を納めれば、没収されるリスクを負ってまで証拠隠滅や逃亡をはかろうとはしないでしょう。
反対に、年収10億円の被告の保釈金が200万円だとすると、「それなら海外にでも高飛びして、残った資産で優雅に暮らそう」とも考えかねません。
確かに、先に挙げた過去の有名事件の保釈金リストでも、皆が年収は軽く1億円を超えている人ばかりです。
ですから、同じ事件を起こしても、所得・資産の大きい人の方が保釈金額は高くなるということです。
吉澤ひとみの保釈金300万円は高いのか、安いのか?
ここまで長くなってしまいましたが、吉澤ひとみの保釈金300万円です。
交通事故の保釈金の相場は150万円前後。これに飲酒ひき逃げという悪質性がプラスされます。ただ、予想される量刑は「1年6ヶ月から2年の懲役、執行猶予4年程度」と執行猶予が見込まれていますので、150~300万円という平均的な幅に収まるものと考えられます。
吉澤ひとみの経済力ですが、彼女が現役の有名タレントであること、夫が会社経営者であることを考えれば、一般サラリーマンの年収は楽に超えていると思われます。
したがって、150~300万円という保釈金の平均的な幅の上限の300万円ということになったと考えられます。
結論としては、吉澤ひとみの保釈金300万円は、「平均額の範囲の中では最高額」ということ、もっと言うと「安くはないけど高過ぎない」ということです。
以上、『飲酒ひき逃げ吉澤ひとみの保釈金300万円は高いのか、安いのか?』でした。