秋の夜長に楽しみたい野球DVD・本・マンガ・動画をご紹介します。

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猛暑だと騒いでいたのも束の間、あっという間に秋の気配です。

 

秋が深まる11月ともなると、野球シーズンが終わってしまいます。安室奈美恵さん引退の「安室ロス」ならぬ、「野球ロス」の心境に野球ファンは陥っているのでは。

 

だからこそ、秋の夜長は野球を楽しみましょう!

 

野球をテーマにしたDVD・本・マンガ・動画を見ながら(読みながら)酒でも飲んで秋の夜長を満喫しましょう。

 

 

 

DVD『アゲイン 28年目の甲子園』 

アゲイン 28年目の甲子園

アゲイン 28年目の甲子園

 

高校野球で甲子園に出場し、プロ野球選手にーーー野球少年のみなが思い描く夢です。そして、その夢が叶わないと諦めるのはいつなのか。多くの場合は地方予選で負けた時かと。

 

このDVDは、甲子園をめざして猛練習に励んできたが、野球部員の不祥事で予選を辞退し、あっけなく夢がついえてしまった元高校球児の物語。

 

試合に負けたのなら諦めもつこうというもの。しかし、試合すら出来なかったのですから、諦めるも何も・・・。気持ちが痛いほど伝わってきます。

 

どこか心に引っかかるものを抱えながら生きる日々。夢を上手に諦めることが出来ずに悶々とする毎日。男らしくないといえばそれまでですが、それが男なのかもしれません。

 

そして、元高校球児が再び甲子園をめざす「マスターズ甲子園」に出場します。夢を上手に諦めるために。

 

元マネージャー(和久井映見)が元キャプテン(中井貴一)に言った言葉「負ける時にちゃんと負けろ。負けて次に進め」が心に響きました。

 

ちなみに、出演者のうち、野球経験のある柳葉敏郎は”らしい”動きができていますが、主演の中井貴一や西岡徳馬は、およそ甲子園をめざした元高校球児らしからぬ動きで残念でした。

 

また、「もう、コントロールよりコレステロールが心配なんだよ」などのおやじギャグも随所にみられ、別の意味で見所かもしれません。

 

 

本 『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』

「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)

「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)

 

 この本は著者が髙橋秀実で、第23回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞作品です。

 

2007年の東東京大会予選で5回戦まで進出した開成高校野球部を取材したノンフィクションです。とにかく面白いです。大げさにいえば、野球観が変わります。

 

開成高校といえば超がつく進学校。クラスの大半が当然のように東京大学に合格する秀才たちの集まった高校。頭はメチャクチャ良いけど、スポーツは?というイメージ。

 

そんな高校の野球部が強豪ひしめく東京都の大会で5回戦まで進むとは、難解な物理学の理論やスポーツ力学を応用した戦術を用いたのかと思いきや・・・。とにかく、従来のセオリーを覆す、ハチャメチャなものなのです。

 

 野球部が全体で練習するのは週2回計4時間のみ。他の運動部との兼ね合いで学校のグランドが使えないためで、他の日は自主トレをするといいます。

 

開成の野球にバントはありません。なぜなら、丁寧に1点を取ったところで、その裏に相手に5点以上取られてしまうことが普通にあるから。「送りバントような局面における確実性を積み上げていくと、結果的に負けてしまう」と聡明なるキャプテンの言葉。

 

では、どういうゲームプランなのか?

 

まず、1番から6番まで、出来るだけ強い打球を打てる選手を並べていきます。最も強い打者は2番。そして、ひたすら強振します。

 

8番、9番から始まるイニングが大チャンスで、彼らが何とか四死球とかで出塁すれば、下位打線に出塁を許したことで動揺する相手投手に1番が強振して長打、そして最強の2番打者が追い打ちをかけます。

 

弱小チームに連打されたことにショックを受けている相手を逃さず、後続もとにかく強く振り抜いて続いて大量点を入れ、そのままドサクサに紛れて勝つ、しかもコールド勝ちで、というプランです。

 

超進学校の勝つセオリーは「ドサクサ」なのです。しかも、コールド勝ちがベスト。大量点を取ってもがっぷり四つに組んで9回までいったら逆転負けするからです。

 

そして、実際、2007年の東東京大会では4回戦まですべてコールド勝ち、5回戦で初めて9回まで戦って惜敗という”輝かしい”戦績をのこしているのです。

 

本書を読み終えて、すっかり開成高校野球部のファンになりました。2番打者に最強の打者をお置くというのは今でこそメジャーリーグで主流になっていますが、それを2007年から先駆けてやっていたのです。

 

2018年は1回戦負けだったようですが、是非、近いうちに甲子園出場を果たして欲しいものです。「開成vs大阪桐蔭」を見てみたいと思いませんか?

 

 

マンガ 『ドカベン』

ドカベン 全48巻完結 [マーケットプレイス コミックセット]

ドカベン 全48巻完結 [マーケットプレイス コミックセット]

 
ドカベン プロ野球編 文庫版 コミック 全26巻完結セット (秋田文庫 )

ドカベン プロ野球編 文庫版 コミック 全26巻完結セット (秋田文庫 )

 

 野球マンガの最高傑作は、言わずと知れた『ドカベン』。

 

主人公・山田太郎の中学生時代から始まり、高校、プロと続く、まさに大河ドラマです。

 

その大河ドラマも、2018年6月28日発売号『少年チャンピオン』で最終回を迎えました。実に46年間にわたって連載されてきたのには驚くばかりです。

 

『ドカベン』は私の野球の師です。過去記事を是非、ご覧ください。 

www.iwgpusnever.com

 

 

動画・『金足農業高 2ランスクイズ』

 

2018年夏の甲子園は100回記念大会。金足農業の大躍進が記憶に残ります。

 

数々のドラマをつくった金足農業ですが、何と言っても秀逸だったのは、2ランスクイズで近江にサヨナラ勝ちしたシーンです。これは何年たっても語り継がれる伝説となること間違いなし、です。

 

撮影角度が異なる2つの動画を用意しました。見所としては、

 

  • 3塁ランナーのスタートに加えて2塁ランナーのスタートのタイミング。絶妙です。
  • バントされた打球を3塁手が捕球した際の2塁ランナーの位置。「サードが捕球した時にサードコ-チャー付近に到達していれば100%ホームでセーフになることがわかっていた」と試合後に2塁ランナーは語っています。
  • スクイズバントを捕球した近江の3塁手は1塁へツーステップして送球しています。「北村(近江の3塁手)はいつもならワンステップで送球するのに、この時だけはツーステップ。ワンステップならホームでアウトにできた。これが甲子園の怖さ」と試合後に近江の監督は悔やんでいます。

 

また、このプレーは現役のメジャーリーガーたちも驚かせました。アトランタ・ブレーブスのフラワーズ捕手のコメントを読んで頂いて、動画をご覧頂ければと思います。

 

―― 2ランスクイズを見て、率直な感想を聞かせてください。

「すごいプレーだね! 満塁の場面で、こんなプレーを見たことはありません。いいアイデアだと思いますが、失敗したら一気にチャンスが潰れてしまう可能性がある。まず打者のバント技術を信用していなかったら無理です。相当アグレッシブなプレーですから、守備側は大変だったと思います。見たことも経験したこともなかったでしょうし、おそらく想像もしていなかったでしょうね」

―― メジャーであり得るプレーだと思いますか。

「あり得なくはないでしょうが、残念ながらアメリカの野球はバントを重視しているわけではありません。この高校生(金足農・斎藤璃玖選手)ほど上手にバントするためには、相当な練習が必要です。そして、走者が打者の技術を信頼していないとできないプレーです。そうした条件がすべて揃えば、メジャーでも可能なプレーだと思います。

 しかし守備側の目線で考えれば、非常に守りづらい。キャッチャーとしてできるのは、バントができない球を投げさせることぐらいですが、満塁ですのでフォアボールにもできない。本当に難しいプレーです。これをやったのは高校生ですか? 高校生がそこまで考えるのはすごい。すべての高校生がそこまで細かいことを考えているとは思いませんが、2ランスクイズをやったチームの選手たちは本当に頭がいいと思います」 

(『web Sportiva』より引用

 

以上、『秋の夜長に楽しみたい野球DVD・本・マンガ・動画をご紹介します。』 でした。