年が明けると、いよいよ受験シーズン到来です。
受験生を持つ親としては、せめて食事面でサポートしたいと思うものです。ただ、何を食べさせればいいのか、特に、入試前日の食事に悩みはつきません。
そこで参考になるのがサッカー日本代表の食事です。試合前日には必ず「うなぎ」を食べるとのこと。いわゆる勝負飯です。これは、受験にも栄養学的に十分に役立ちます!
専属シェフが同行するサッカー日本代表
ロシアで開催されたワールドカップ・サッカー日本代表には、西芳照(にし よしてる)氏が専属シェフとして同行し、食事面を支えていました。
西氏は、日本代表の遠征に100回以上も同校した実績を持ち、ワールドカップも4大会連続して専属シェフを務めています。
西氏は、代表メンバーが発表される前からチームが宿泊するホテルに乗り込み、地元のコックの選定や厨房の衛生面の確認、食材の確保に奔走するのが常だといいます。
選手がホテル入りしてからは、西氏が選手のリクエストに応じて目の前で調理を行うなど、選手・スタッフには大好評。今や、なくてはならない代表メンバーだと言われています。
「試合2日前ルール」
選手たちが試合で最高のプレーができるよう、西氏は自らが考案した「試合2日前ルール」に則って、食事を提供していきます。
試合中に選手が求められることは、90分間走りきること。そのため、2日前からは炭水化物とタンパク質を多く取り、脂質は控えめなメニューが出されます。
つまり、試合2日前からは、エネルギーに変換されやすい炭水化物中心のメニューにするとルール化しているわけです。
さらに、試合3時間前には、うどん・おにぎり・バナナなど消化に良く、エネルギー転換の速い糖質が多いものを食べさせます。
そして、試合終了後30分以内には、おにぎり・サンドイッチ・果物などを食べさせます。これは、運動後にすぐに糖質をとると。体力回復に効果的だからです。
参照した本はこちら↓↓
サムライブルーの料理人 ─ サッカー日本代表専属シェフの戦い
- 作者: 西芳照
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試合前日に勝負飯「うなぎ」
そして、「試合2日前ルール」の集大成が、試合前日の夕食に出される「うなぎ」です。2016年リオデジャネイロ五輪アジア最終予選からの日本代表の勝負飯となっていて、「うな丼」で出されます。
西芳照氏はその著書『サムライブルーの料理人』でこう述べています。
ビタミンB1、ビタミンB2とビタミンEを豊富に含み、ごはんが進むうなぎは試合前に必ず出すメニューです。
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝を活発にしてくれる一方、不足すると疲労の原因である乳酸がたまりやすくなります。
ビタミンB2には栄養素をエネルギーに変える働きがあり、ビタミンEには持久力を保ち疲労回復の効果があります。
うなぎには、これらビタミンB1・B2・Eが豊富に含まれているのです。
さらに、うなぎは青魚に同じくらいDHAが豊富な食材です。「サッカー・インテリジェンス」という言葉があるほど、サッカーは頭脳スポーツ。頭の回転が良くなる効果が期待されます。
入試前日の食事は「うなぎ」で決まり!
「うなぎ」は、前日までの疲労をとり翌日の試合への活力を高めるとともに、頭のキレをももたらすという、サッカー日本代表にとって欠かせない食事となっています。
このことは受験にも十分にあてはまると思いませんか?
長期にわたる受験勉強のクライマックスを迎えるこの時期は、心身ともに疲れやすい時期でもあります。
また、最大2日間におよぶ入試は、ある意味では体力勝負でもあります。
前日に疲労を取り去り、入試当日には難問に立ち向かうに足る体力をつけるということでは、「うなぎ」は格好の食材です。
また、注目したいのは、「うなぎ」に豊富に含まれるDHAです。これは、青魚のサラサラ成分といわれ、考える・覚える力の向上に重要な働きをするとされています。
1989年、北ロンドン大学の脳栄養化学研究所所長のマイケル・クロフォード博士が著書の中で「日本の子どもの知能指数が高いのは、DHAを多く含む魚をよく食べるためだ」と述べ、一躍、DHAが脚光を浴びました。
DHAを多く含む調理食
調理品 DHA量(mg)
アジの開き干し 1300
うなぎの蒲焼き 1300
サンマの焼き 1200
いわしの缶詰 810
いかなご佃煮 500
(出典:文部科学省「日本食品標準成分表」)
入試では当然のことながら、知力・脳力が問われます。頭のキレを良くするDHAが多く含まれた「うなぎ」を前日に食べるのは十分に科学的だと思います。
おわりに
入試前日の食事に、「入試に勝つ!」ということで「カツ丼」などを食べるという人もいます。わからなくもないですが、これは「験担ぎ」以外に何者でもなく、科学的根拠も皆無です。
そもそも、心身共にデリケートな前日にカツのような「重い」ものを食べて、胃が不調になったらどうするのでしょう。西芳照の「試合2日間ルール」では脂質は控えるとあったのが肯けるというものです。
うなぎを「うな丼」にして食べるということは、ビタミンB1・B2・Eで体力面をサポートし、DHAで脳力面をサポートするということ。さらにご飯と一緒に食べるので、炭水化物がエネルギーに転換されます。こちらの方が、断然、合理的です。
以上、『入試前日の食事は、サッカー日本代表の勝負飯「うなぎ」で決まり!』でした。