今回は、内藤哲也vsタイチ、IWGPインターコンチネンタル選手権試合 王者・鈴木ものるvs挑戦者・真壁刀義の2試合です。タイチはヘビー級転向の第一戦を内藤と戦います。
《内藤哲也vsタイチ》
タイチのヘビー級転向の第一戦です。相手は内藤、いきなり強敵と向き合います。試合前のタイチのコメントが面白かったです。
「人生はチャレンジだ」ってジャンボ鶴田が言ってたよ。会ったことないけど。
タイチは全日本からプロレス人生をスタートさせているだけに、鶴田の名が出るのでしょうか。でも、他団体のエースの名前をTVのインタビューで出し、かつ、それをオンエアするTV朝日も太っ腹です。
さて、試合はタイチの奇襲から始まります。場外での高角度のパワーボムには、TV解説のミラノも「まじかー」と声を荒げるほどの衝撃でした。
その後もタイチの気迫あふれる攻めが続きます。TV解説の外道がタイチをボロカスに口撃しています。「タイチが嫌いすぎて、内藤を応援したくなるよな。レインメーカーのライバルだけどよ」
タイチは確かに体つきも一回り大きくなり、ヘビー級にふさわしい力強さが出てきました。デンジャラス・バックドロップからタイチ式ラストライドへの流れでは、「もしかして」と思わせる動きでした。
ただ、技の引き出しの多さでは内藤にかないません。グロリアから浴びせ蹴り、タイチの持ちアイテムであるマイクスタンドを奪い、折れるほどの力でタイチの頭を殴打し、デスティーノで仕留めました。
この試合を通じて、内藤は本当にプロレスが上手いと思いました。特に、格下の相手とやる時にそれを感じます。相手は攻め込んでいるように見えても、実は内藤の手のひらの上で踊らされているだけという感じです。試合直後のマイクアピールで、まったく息がきれてないことからもわかります。
試合後も内藤は余裕のコメントです。
覚悟というか、変わらなきゃいけないという気持ちは感じましたよ。チラッとはね。でも、ただ体重を増やせばいいとか、そういうのを見たかったんじゃない。何か勘違いしてんのかな。
《IWGPインターコンチネンタル選手権 王者・鈴木みのるvs挑戦者・真壁刀義》
インターコンチ王者が鈴木みのるというのは、どうもピンときません。柵橋のような華のあるレスラーがインターコンチで、鈴木のような無骨なテクニシャンはNEVER無差別級というイメージなのですが・・・。
ラフファイトを得意とする両者が序盤から殴る蹴るのケンカマッチを展開します。執拗に鈴木は真壁の膝を狙っていきます。膝十字では、靱帯がブチブチ切れる音が聞こえてきそうでした。
膝を痛めつけられて力が入らないのか、真壁はエルボーの打ち合いでもすぐに膝をついてしまうシーンが多くありました。パワーでは真壁が圧倒するはずなのが、鈴木の術中にはまっている感じです。
それでも粘りを見せる真壁。「ここ一番でしか見せない」(解説のミラノ)キングコング・デスバレーボムからスパイダージャーマンに一気に叩き込みます。ここで、勝ちパターンのキングコング・ニー へいったところを鈴木にかわされ、万事休す。最後は、ゴッチ式パイルドライバーでフィニッシュです。鈴木はタイトル初防衛に成功しました。
鈴木のフィニッシュ技のゴッチ式パイルドライバーはいいですね。パイルドライバーそのものは古典的な大技で、今は痛め技となってしまいましたが、やり方を工夫することで、十分に説得力のある決め技として現代でも通用しています。
まだまだ古典的な大技のなかに、現代でも通用するものがありそうです。それを発掘するのは鈴木みのるしかいないでしょう。
試合後、鈴木は例のドスの利いた声で観衆をも挑発していました。
いるだろう、俺の頭を踏んづけてるヤツ。テメエのところ、必ず行くぜ。
(客席から「誰のことだ?」)
お前、プロレスわかってねえだろう!
以上、『『ワールドプロレスリング観戦記』2018年3月26日放送 内藤哲也vsタイチ IWGPインターコンチネンタル選手権 鈴木みのるvs真壁刀義』でした。