「赤星が内野手になって帰ってきた」と阪神ファンを唸らせた植田海

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勝率5割ラインを行ったり来たりしている今年の阪神タイガース。

 

そのモヤモヤを一気に吹き飛ばしてくれることを確信するのが、植田海。

 

50m5.8秒の俊足は、「赤星が内野手になって帰ってきた」と阪神ファンを唸らせています。

 

今年はレギュラーに定着し、大ブレイクすること間違いなしの植田海を紹介してみます。

 

 

 

植田海の略歴

  • 氏名    植田海(うえだ かい)
  • 生年月日  1996年4月19日
  • 出身地   滋賀県甲賀市
  • 出身校   近江高校
  • 身長/体重  175センチ 70kg
  • ポジション 内野手 右投両打
  • ドラフト  2014年ドラフト5位

 

〈プロ入り前〉

植田海は小学2年生の時、滋賀県甲賀市のスポーツ少年団で野球を始めました。当時のポジションはショートとピッチャーでしたが、ボーイズリーグに所属してた中学生時からショートに専念しています。

 

地元の中学を卒業して、山梨県の日本航空高校に進学したものの、1年時の2月に自主退学しています。

 

退学の理由については明らかにされていません。あまりにも身体能力に秀でていたため、上級生からイジメにあったとか、その「やんちゃ」な性格からチーム内でトラブルがあったとか、様々な噂レベルの話が飛び交っていますが、真相はわかりません。

 

甲子園出場を夢見てきた植田少年が、一時はそれを断念せざるをえない決断をしたわけですから、どうにも耐えがたい事情がチーム内に起こったことは事実でしょう。

 

地元の滋賀県に戻った植田は、野球ができなくなる不安でいっぱいだったということですが、幸いにも親族の仲介で、滋賀の強豪校である近江高校に編入しました。

 

ただ、日本高校野球連盟の規定では「転校した選手は1年間は公式戦に出場できない」とあるため、2年生の時は練習試合にしか出場の機会はありませんでした

 

それでも、1年間のブランクをものともせず、3年生の時にレギュラーのショートとして夏の甲子園に出場。チームは3回戦で敗退しましたが、植田自身は甲子園で.571という高打率をマークしました。

 

なお、高校時代には対外試合で50回以上の盗塁を試みて、失敗は1回のみだったといいます。

 

2014年のドラフト会議では、阪神タイガースからドラフト5位で指名を受けます。契約金3,000万円、年俸500万円で入団。背番号は62。阪神のゼネラルマネージャーの中村勝広(当時)からは、俊足だけでなく守備におけるスローイングや動きの柔らかさを高く評価されていました。

 

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〈プロ入り後〉

阪神入団後の2015年、2016年と2017年半ばまでは2軍生活が続きました。

 

2016年の春季キャンプから、掛布雅之2軍監督(当時)のアドバイスで、スイッチヒッターに転向し、公式登録も「右投右打」から「右投両打」へと変更しました。

 

この年は、ウェスタンリーグでの打率は.168にとどまりましたが、12回の盗塁企図をすべて成功させました。そして、その俊足ぶりを買われて10月の巨人戦で1軍デビューを果たします。

 

また、2016年シーズン終了後に開催された「第1回WBC U-23ワールドカップ」では、日本代表の「2番・ショート」として日本の優勝に貢献。決勝までの9試合に先発で起用され、通算打率.300、6盗塁という成績を残しています。

 

2017年のシーズンは、8月下旬から1軍に定着。9月の中日戦で「2番・ショート」で初の先発出場を果たしました。

 

この年、阪神のレギュラーシーズン2位で臨んだ横浜とのクライマックスシリーズ・ファーストステージでも1軍に帯同し、第3戦では二塁打を放っています。

 

2018年の今年、春季キャンプを1軍で過ごし、プロ入り後初の開幕1軍入り。当初は、代走や守備固めでの起用が主でしたが、4月29日の広島戦から「2番・ショート」として先発出場が続いています

 

 

植田海の魅力

〈俊 足〉

植田海の最大の魅力は、何と言っても50m5.8秒の「俊足」です。

 

盗塁の目安となる30mのベストタイムは3.9秒、2003年・2005年に阪神を優勝に導いたレッドスターこと赤星憲広氏が3.7秒でしたから、「赤星が内野手になって帰ってきた」と阪神ファンを唸らせたのも理解できるというものです。

 

今年はこれまで(2018年5月)21試合で5盗塁。ゴールデンウィーク前まではチーム全体で1盗塁でした。もちろん、12球団ワースト。

 

しかし、植田が先発起用されるようになったゴールデンウィークだけで、チームは15盗塁を記録。明らかに阪神の野球に変化がおきました。

 

チームが1試合4盗塁を決めた5月5日、金本知憲監督は「こういう野球をずっとしたかった」と述べています。植田の走塁が他選手の積極走塁を促し、起爆剤になっていることは間違いありません。

 

とにかく、理屈抜きで速いですから、下の動画を是非、見てください。

〈守 備〉

「足」と共に植田の評価を高めているのは守備力です。2014年のドラフト時では「高校No.1ショート」の評価がありました。

 

植田の憧れのプロ選手は「鳥谷敬」。同じショートとして憧れ、大ファンだったようです。

 

球界トップクラスの守備を誇った鳥谷が、力の衰えからサードやセカンドへコンバートされたことは、植田にとって幸運だったでしょう。守備の素質でいえば「鳥谷よりかなり上」(掛布雅之氏)とも評価されています。

 

ただ、全盛時の鳥谷と比較すると、守備範囲が狭いように感じます。また、プロ1年目で腰をケガした影響からか、ダイビングキャッチを試みようとしない点には物足りなさを感じます。

 

でも、同年代の北條あたりと比べれば、よほど安心して見ていられます。

 

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〈打 撃〉

植田の最大の課題が打撃だと言われていますが、近いうちに大化けする予感がします。

 

その理由は、スイッチヒッターへの適応力でみせた打撃センスです。右打ちからスイッチに転向した選手に大和がいますが、あの身体能力の高い大和も左打席では、三遊間に転がすのが精一杯でした。

 

一方、植田はスイッチ転向2年ちょっとですが、左打席でもライトへ強いあたりの大飛球を打てています。この適応力は相当な打撃センスと身体能力の持ち主といわざるをえません。

 

打席での粘りもあります。巨人のマシソンを相手に簡単に2ナッシングと追い込まれて「名前負け」するかと思いきや、3-2までカウントを整えたのには驚きました。

 

もちろん、まだまだ全体的に非力さは否めませんが、いずれはコンスタントに3割は打てるものと思います。

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おわりに

金本知憲監督は植田のことになると目を細め、「去年の8月は全然振れてなかったけど、別人ですわね」とその成長スピードに感心していました。

 

いっぱいご飯食べて、いっぱい体動かしてください! 僕も頑張ります!

 

5月5日子どもの日。若きヒーローは甲子園球場に詰めかけたちびっ子ファンにメッセージを送りました。

 

そう、植田海も頑張れ。この調子でいけば大ブレイク間違いなしだ!

 

以上、『「赤星が内野手になって帰ってきた」と阪神ファンを唸らせた植田海』でした。