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「定員超過の罰則強化見送り」も、2019年私大入試の厳しさに拍車がかかる理由

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2018年の私大入試が厳しいものであったことは、若干の考察を含めて、以前に記事にしました。

 

厳しくなった原因の1つに、国の指示による入学定員の厳格化により、合格者数が例年に比べて減少したことがあげられます。

 

そして、国は2019年からさらに厳格化をはかり、定員超過の場合の罰則を強化する案を検討していました。

 

受験生は戦々恐々でしたが、結果的には罰則強化案は見送りとなり、門戸が一層狭くなることは避けられました。

 

しかしながら、2018年と同様の定員規制ルールが残る以上、影響は限定的で、2019年私大入試の厳しさに拍車がかかるものと考えられます。

 

 

 

 

2018年私大入試を難化させた「定員厳格化」

2018年の私大入試が難化した理由の1つは、国が定めた「定員厳格化」措置があげられます。詳しくは過去記事をご覧下さい。

 

www.iwgpusnever.com

 

私立大学は例外なく、国から私学助成金というお金をもらって経営を成り立たせています。この私学助成金は大学ごとに交付される額が決められ、少しでも減らされると大学の死活問題につながります。

 

2015年までは、総定員8千人以上の大学について、入学定員充足率(国に届け出た入学定員に対する実際の入学者の割合)が1.2倍までに抑えられていれば、私学助成金は満額が交付されていました。

 

例えば、定員100名のX大学法学部の場合、1,000名の受験生に対して200名の合格者を出し、実際の入学者が120名であれば、私学助成金は満額交付されていました。

 

ところが、都市部の大学への学生の集中を緩和する目的で、この基準が2016年度は1.17倍、2017年度は1.14倍、2018年度は1.10倍と厳しくなり、これを超過すると罰則として私学助成金が全額カット、つまりゼロとなるようにしました。

 

こうなると、先に例にあげたX大学のように多めに合格者を出して入学者を確保する方法では、万一、入学手続きをした者が定員の1.10倍を超えた場合、私学助成金全額カットという大変な事態となってしまいます。

 

したがって、国に届け出ている定員の1.10倍を超える入学者が出ないように、合格者を絞り込む状況となっているのです。

 

例年なら約8千人の合格者を出していた京都産業大学では、2018年の合格者数は約5,800人で、3千人近く少ない結果となっています。普通なら合格していたはずの人の約3割が落ちたのですから、驚きは隠せません。

 

そして、さらにこの基準を厳しくし、守れなかった場合の罰則も強化することを国が検討しているとの情報が伝わってきました。受験生が戦々恐々となったのも当然です。

 

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定員超過の罰則強化見送り

国は2019年から、入学定員充足率が100%を超えた場合に超過入学者数に応じて私学助成金を減額するという罰則強化策の導入を検討していました。

 

定員を1名でも超える入学者がいれば、それだけでペナルティーを科すというのですから、ずいぶんと厳しい措置です。

 

そもそも罰則が強化されていく中で、定員超過を避けようと合格者数を減らし、定員に足りなくなれば追加合格で補う大学が目立つようになりました。

 

追加合格によって他大学に学生を奪われた大学が定員に満たなくなって、また追加合格を出すという連鎖が発生しました。入学式直前に進学先が変わる学生が増えるなど、大学側も学生側も混乱に陥ることが多々見受けられ、改善を求める声が強く上がっていました。

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出典:日本経済新聞

こうした状況を踏まえ、これまでの措置によって都市部の大学の入学定員超過が改善し、一定の効果が見られたとして、当面の間、その実施を見送ることが決定されました。国は3年後をめどに実施の是非を再検討するとしています。

 

とりあえずは、2019年入試では前年以上の定員厳格化措置はなされることはなくなったということです。

 

受験生にとっては、ほっと胸をなで下ろすとはこのことでしょう。「これで少しは楽になった」と思うのは大きな勘違い。2019年私大入試の厳しさは変わらないと肝に銘ずべきです。

 

 

2019年私大入試の厳しさに拍車がかかる理由

今回の「定員超過の罰則強化見送り」は、受験生にとって朗報であることは間違いありません。

 

もし、検討されていた案が実施されていれば、2018年以上に合格者数は絞り込まれていた、すなわち、合格者数はさらに減少していたと容易に考えられるからです。

 

しかし、罰則強化は見送るものの、2019年は2018年と同様のルールを継続して実施するとしています。

 

繰り返しますが、2018年のルールとは、入学定員充足率を1.10倍に抑えないといけないというものです。

 

つまり、厳しかった2018年私大入試の状況と2019年の状況とは、何ら変化はないということです。

 

罰則強化こそなくなったものの、定員の1.10倍を超える入学者がいれば私学助成金は交付されないことに変わりはないのですから、2018年同様に合格者の絞り込みは継続されると考えるべきです。

 

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そして、さらに、私大文系受験生の増加によって、厳しさに拍車がかかります。

 

古くから大学入試の世界では、景気が悪くなると就職に強い理系の人気が上がり、景気が良くなると文系の人気が高まるというジンクスがあります。

 

大学の出口である就職環境は「売り手市場」といわれるほど好転していること、好景気で保護者の財布にも余裕が出てきたこと、この2つの理由によって受験科目の負担の重い国公立大学と理系が敬遠される一方、私大文系の人気が高まってきているのです。

 

この私大文系人気の高まりと、入学定員厳格化による合格者絞り込みとがぶつかってしまい、私大入試の厳しさに拍車をかけてしまっています。

 

以前より狭くなった私大の門に、受験生が殺到しているというイメージを2019年も描いた方が良さそうです。

 

 

おわりに

私も私大文系の受験生だっただけに、今の私大志望の受験生の心境はよく理解できるつもりです。

 

「とにかく合格できる大学を探そう」と安全志向に走るのもわからないではないですが、本当に心の底から入りたいという大学をめざすことこそが、苦しい受験勉強の最大の励みになると経験上、思います。

 

私大入試本番まであと4ヶ月ほど。私大入試の厳しさはみんなに平等。悔いのない時間を過ごして欲しいと思います。

 

以上、『「定員超過の罰則強化見送り」も、2019年私大入試の厳しさに拍車がかかる理由』でした。