甲子園準優勝の金足農業も苦労した応援団の遠征費 収入倍増の高野連が少しは支援しろ!

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              出典:『HUFFPOST』

 

第100回の夏の高校野球甲子園大会が終わりました。

 

久しぶりに高校野球にハマッテしまいました。何と言っても、金足農業の大躍進、準優勝には心が躍りました。残念ながら大阪桐蔭の壁は厚く高いものがありましたが・・・。

 

その金足農業が勝ち進むにつれて応援団の遠征費が不足し、慌てて追加の寄付をお願いしていたとの報道がありました。

 

そこで、甲子園大会に出場する高校の応援団に要する費用を調べてみたところ、仮に1回戦で敗退したとしても、3~4千万はかかることがわかりました。これを、特に、公立校に自己負担させるには限界があります。高野連が現実に合わせて少しは支援するべきです。

 

 

 

金足農業も苦労した応援団の遠征費

勝ち進むことで、控え選手や吹奏楽の応援団の宿泊費用が必要となり、当初の寄付金の予算を大幅に超える可能性が出てきてしまいました。皆さまのご協力をどうぞ宜しくお願い致します。 

 

今年の夏の高校野球甲子園大会で大躍進をとげ、準優勝校の金足農業高校(秋田)の野球部OB会は、8月17日、同会のホームページに寄付金の追加支援をお願いする文章を掲載しました。

 

同校の甲子園出場が決まって以来、同窓会、父母会、野球部OB会、後援会などが1口2,000円の寄付を集めて回り、目標額は5千万円でしたが何とか4千万円を確保。

 

しかしながら、予想外の大躍進(失礼!)で決勝まで勝ち進み、その4千万円も底をついた格好となったようでした。

 

ただ、金足農業は全国メディアも大きく取り上げるフィバーぶりですから、赤字が出るような事態は避けられるとは思います。ここにも公立校ならではの苦労がうかがえるというものです。

 

追記

金足農業の資金不足が報じられて以降、同校の寄付金募集口座に連日にわたり寄付金が振り込まれ、当初目標額の5千万円の4倍近い1億9千万円(8月23日現在)も集まったそうです。

 

応援団の遠征費の実態

金足農業だけではなく、甲子園出場校が、特に、初出場校や公立校が苦労させられるのが「応援団の遠征費」です。

 

各出場校は、ベンチ入りできなかった野球部員や引率職員、在校生らによる応援団員、ブラスバンド部、チアガールに要する移動バス、食事、グッズ、遠方だと宿泊費を自前で用意しなければなりません。

 

金足農業の場合、初戦はバス13台で片道13時間かけて甲子園に応援に駆けつけ、試合が終わるとそのまま日帰りしていますが、そのバス代だけで1,500万円かかったということです。

 

また、3回戦を突破してから決勝戦まで甲子園近辺に約250人の在校生ら応援団が滞在していて、1泊5千円のホテルでも500万円を超える宿泊費がかかっています。

 

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赤いTシャツで統一された応援団席

 

さらに、野球部が使用する練習用具やブラスバンド部が手荷物として運べない大型の楽器などの運搬費、応援団全員が着用するおそろいの帽子、メガホン、タオル、Tシャツなどのグッズ製作費が加わってきます。

 

こうしてみてくると、関東以北や九州・沖縄の高校が決勝まで進めば、1億円強の出費が容易に想像できます。

 

繰り返しますが、これらの莫大な費用を各出場校が自前で用意しなければならないのです。沖縄県の県予選が全国に先駆けて早く始まるのは、梅雨明けが早いということもありますが、甲子園出場経費を賄う寄付金集めに時間を要することから、早く代表校を決める必要があるためだというくらいです。

 

 

高野連の出場校への支援・補助

こうした現状に対し、主催者側の高野連(日本高等学校野球連盟)はどう見ているいるのでしょうか。

 

「開催要項」なるものによると、1校あたり選手18人、部長(責任教師)と監督の2人の計20人分の交通費のほか、滞在費として1日4,000円が補助されるとのことです。

 

出場選手の旅費、滞在費補助規定

1校20人(選手18人、責任教師1人、監督1人)を限度とし、次の通り旅費と滞在費補助を支給する。

(イ)旅費は代表校の所在地から大阪までの往復普通乗車運賃(新幹線・特急運賃含む)、船舶利用の場合は普通二等の乗船運賃を支給する。ただし、沖縄、南北北海道代表校は航空運賃を支給する。

(ロ)滞在費は抽選日(8月2日)から、その学校の最終試合日までの日数に対し、1日1人4,000円を補助する。

 

まさに「雀の涙」程度、「ないよりはマシ」という支援です。そもそも、1泊4,000円の宿泊費補助というのは、カプセルホテルにでも泊まれというのでしょうか。

 

そして、ベンチ入りできなかった野球部員への補助がないのですから、当然のように応援する側への支援はまったくありません。

 

 

高野連は収入倍増

今年の甲子園大会について、宮本勝浩・関西大学名誉教授が大会の経済波及効果を試算したところ、過去最高となる433億3千万円(前回大会は350億8千万円)となったそうです。

 

史上最高額となった経済効果で最も恩恵を受けると考えられるのが、主催者の高野連と朝日新聞社です。

 

今大会は昨年までは無料だった外野席を大人500円、子ども100円とし、内野席もバックネット裏の中央特別席は800円増の2,800円としています。

 

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その結果、総収入は約8億5千万円と予測され、前回大会の約4億1千万円から倍増しています。

 

一方、支出の方は、大半が先にあげた出場選手への旅費・滞在費補助。最も高くつくと思われる甲子園球場の使用料は無料(グラウンド整備などに要する実費のみ負担)、大会運営に関わるスタッフや試合を裁く審判も無料とのことです。

 

したがって、前回大会より出場校が7校増えたとはいえ、かなり資金的には余剰が出るはずなんですが・・・。少しは応援団の遠征費の補助に回せないものでしょうか?

 本記事執筆の際に参考にしました↓↓

高校野球の経済学

高校野球の経済学

 

 

おわりに

応援団は自分の意志で参加しているのだから、支援するのは筋が違うという意見もあるでしょう。

 

しかし、「応援から力をもらった」と選手がコメントしていることからもわかるように、今や試合と応援とは一体となっています。高校野球は教育の一環というのなら、懸命にプレーしている仲間を必死に応援することにも教育的意義はあるはずです。

 

甲子園出場で大喜びをすると同時に寄付金集めに頭を悩ませる現状を、少しでも緩和できないものかと思い、本記事を書いた次第です。

 

以上、『甲子園準優勝の金足農業も苦労した応援団の遠征費 収入倍増の高野連が少しは支援しろ!』でした。