◆『音楽チャンプ』
昨年末から、『今夜、誕生 音楽チャンプ』の審査員・菅井秀憲さんにハマっています。
この番組は、他局にあるような単にカラオケマシーンが採点するだけではなく、表現力を名だたる審査員が採点していきます。
何よりも、審査員の辛口コメントが次々と飛び出すことが特徴的。「この曲で何を言いたいのですか?」「それではただの『歌のうまいお姉さん』」「かわいい以外の長所が見当たらない」など、オーデション出演者だけでなく、スタジオ全体を凍りつかせてしまいます。
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◆辛口審査員 菅井秀憲
辛口審査員のラスボス的存在が菅井秀憲さん。ネット上では「オネエ」だったと言われていますが、番組では、IT系ベンチャー企業の社長といった感じで威圧感と大御所的オーラがすごいです。
では、菅井秀憲さんってどういう人なのでしょうか。
・東北学院中学、東北学院高校を経て武蔵野音楽大学声楽学科を卒業。
・二期会オペラスタジオ修了。
・日本のみならずイタリア、ニューヨーク、ロサンゼルスで声楽を学ぶ。
・現在、新国立劇場、帝国劇場などのオペラ、ミュージカルに出演。
・モーニング娘。のボーカルアドバイザーやAKB48のボイストレーナーを務める
音楽の世界はよくわかりませんが、その道のエリートコースを歩んできた方かと思います。だからこそ、適当な言葉でその場をやり過ごすことが出来ず、妥協のないコメントが飛び出していくのでしょうか。
◆天才演歌歌手さくらまやVS菅井秀憲
それでは、菅井さんがネット上で話題となった、かつては天才演歌歌手と呼ばれた「さくらまや」さんが出演した時の、菅井さんとのやりとりです。
菅 井:テクニックがないと歌手はできません。僕たちは何で選んでいるかというと、表現力になるんだけど、この曲であなたは何を言いたいんですかね?
さくら:なるほど。
菅 井:GLAMOROUS SKY(さくらが歌った曲名)って何?
さくら・・・
菅 井:なあ、聞いてんの!?
さくら:たくさんのお客さんの前で、初めて歌った時を思い出しながら歌っています。
菅 井:内容を聞いてるの。GLAMOROU SKYって意味わかるじゃん。
。
さくら:広い世界、あ、空。・・・あんまり、よくわかってないです。
菅 井:だから、人のマネしているようにしか聞こえないないんだよ。自分でもわかってるんでしょ。わかって歌ってないから、下手じゃないけど、僕は何も感じないっ。
ネット上では、さくらまやさんが横柄だと叩かれていますが、それよりも私は、菅井さんの音楽・歌にかける情熱、さらには歌手というプロフェッショナルへのリスペクトを感じます。
◆表現力が生命線
自分が訴えたいこと、伝えたいことを、歌を通じて多くの人に発信するのが歌手。歌唱力は、上手に伝えるためのテクニックにしかすぎない。いかに表現力を磨き上げるかが、歌手の生命線。こういうことを、菅井さんは番組を通して言いたいのだ思っています。
ですから、音程の正確さがない出演者でも、表現力に見るべきものがある場合には、珍しく?褒めあげたりもしています。
僕は血も涙もない人間だけど、ひとりぼっちになったら、あなたの側にいて、その歌声を聴きたいと思いました。このことを、たぶん、可能性と将来性がある、というのでしょう。
◆出演者への愛情
さらには、 出演者の歌をただ評価するだけではなく、その人の人生というものにも、しっかりと向き合っていると感じます。
のど自慢大会や歌合戦であれば、ものすごく高い点数をつけたと思います。ただ、これは、(人生としての)岐路に立たされる。自分がどっちに向かっていくのか?それを審査するから厳しくつけさせてもらいました。
今回は負けたけど、また、必死に勉強して、もう一度、ここに来て下さい。僕が、この椅子をかけてお呼びしますから。
出演者一人ひとりが人生をかけて歌っている姿勢に、最大限のリスペクトをしているのだと思います。小さい頃から歌手になりたくて、日夜、懸命にレッスンに励んでいる若者を応援したいという愛情がほとばしっています。
これからも、菅井さんの愛情があるからこその辛口コメントを聞きたいと思います。
*余 談*
うまく歌おうとするな。汚い部分を見せてください。
こういう言葉、中学生に言ってわかるんでしょうか?