希望の党公認候補『我が敗戦記』(4)「排除発言」と「踏み絵」の独り歩き

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これは、2017年10月に施行された衆議院議員選挙に希望の党公認候補として立候補し、落選した者の手記である。

◆「排除発言」と「踏み絵」の独り歩き

「さあ、希望の党公認候補として頑張ろう」ということにならなければならないはずだが、事態は悪い方向へと急速に進んでいた。

 

その時には知らなかったが、この政策協定書については、希望の党側が事前に作成していた「たたき台」なる文章が既にネット等で出回っていたのだ。

 

それには、安保法制について「基本的に容認する」と記されていたため、民進党系候補に宗旨替えを求める「踏み絵」だという受け止めが広がっていた。

 

小池代表の「排除発言」は事実だが、「排除リスト」は出所不明の怪文書の類であり、政策協定書は民進党との協議を経て、「踏み絵」にすらならない妥当な内容となっていた。

 

にもかかわらず、「排除」と「踏み絵」という言葉が独り歩きしていくこととなった。

 

実際、これが立憲民主党の立ち上げにつながり、無所属での立候補に踏み切る人も相次ぎ、分裂への流れを作っていったのであろう。

 

希望の党公認決定を受けて、簡単な記者会見の場を設けたが、集まったのは3社のみ。丁寧に上述の趣旨、特に政策協定書にサインした理由を説明したものの、記事には全くされなかった。電話などでコメントすら求めてこないところもあった。

 

要は、「排除」されずに公認候補となった者は、自己の信念を曲げて「踏み絵」を踏んだ変節者として扱いたいのだろうとしか思えなかった。

 

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◆希望の党第一次公認者 

昨夜は一睡も出来なかったので早めに帰宅し、「希望の党第一次公認者」なるリストを眺める。

 

民進党サイドからみると、国替え(従来から活動してきた小選挙区から別の小選挙区へと移ること)した人や、小選挙区からの立候補を取り止めて比例代表単独で立候補する人が多いことに驚く。民進党候補と希望の党プロパー候補との選挙区調整が、かなり難航したことが窺える。

 

 民主党時代に共に活動した衆参の元議員が、希望の党プロパー候補として公認されていることにも気づく。それも全員が国替えである。早くに民進党に見切りをつけ、小池新党に活路を見出したということか。

 

その中の一人から遅くに電話がかかる。

「早くから決まっていたの」

「ええ、9月には公認の内定をもらっていました。」

「公認候補がこんなことを言ってはいけないんですが、この党は大丈夫ですかねぇ」

「どういうこと?」

「先日、公認内定者の会議があって、選挙コンサルタントみたいな人が説明するんですけど、いい加減なんです」

「自分で風を起こそうとしなくていい。風は小池百合子が吹かす。普通の選挙戦をやろうと思うな。最低限のこと、公営掲示板にポスターを貼ること、後日に3分間の演説原稿を送るからそれを丸暗記して選挙カーで演説して廻ること、これだけでいい。選挙はがきとかビラとか電話作戦とか一切しなくていい、ということでした」

「これで選挙になるんですかね」

「たぶん、東京都議選ではそれでも大量当選したんだろうな」

 

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◆希望の党公認候補、衆議院選挙へ

10月4日からは「希望の党公認」として活動していった。

 

この時期は、特に逆風を感じることはそうはなかったように思う。街頭活動していても、特に若い世代は「あっ、希望の党だ」と言って声援をもらっていたくらいだ。

 

ただ、共産党や社民党の支持者、安保法制反対や反原発の活動家といった野党陣営からの攻撃はすさまじいものがあった。

 

駅立ちをしていても数人に囲まれて「裏切り者」と罵倒され、私のフェイスブックには「小池に魂を売った人でなし」と書き込まれ、その攻撃対象は私だけではなく、私の子どもにまで及んでいた。

 

「敵は自民党ですよ。このままでは、また3分の2をとられますよ」と何度訴えてみても、「いや、敵は希望だ」と。もはや、彼らのキャッチフレーズは、「安倍政治を許さない」から「小池・希望の党を許さない」へと変わっていったように思えた。

 

 10月5日、連合と政策協定書調印式が行われる。連合傘下の産別のなかには組織内議員が立憲民主党へと行ったために対応に苦慮されたものと推察するが、これまで築いてきた関係を重視して推薦をして頂くことなった。

 

 調印後に記者会見が行われ、県内小選挙区から立候補者と連合会長が出席した。希望の党公認が決まって初めての正式な会見の場であったが、記者から公認決定や政策協定書に関する質問は全くされなかった。

 

10月9日、前日に民進党県連が単独で行った情勢調査の結果を知らされ、愕然とする。

 

衆議院解散前の9月24日に行った調査では、自民候補に2ポイント上回っていた。しかし、今回は逆に10ポイントもリードされているのだ。わずか2週間の間におこった出来事の結果というべきなのか。

 

一方で、比例区投票先では立憲民主党が異常までの高い数字である。小選挙区に候補者がいないにも関わらず、である。

 

立憲民主党の候補は、筋を曲げずに頑張った人。かたや、希望の党の候補は、筋を曲げてまで小池人気にあやかろうとした人。

 

こうしたイメージが定着してしまったということだ。

 

結局、投票日までこの10ポイントの差は縮めることが出来ずに終わってしまった。

 

(5)に続く