オリンピック選手の育成費用と経済格差

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平昌オリンピックはもう何年も前のことように思えるこの頃ですが、時々、BSでカーリングをやっていると思わず見入ってしまいます。

 

カーリング女子の銅メダル獲得のシーンは本当に良かったですね。

 

ただ、親目線でいうと、1人の子どもをオリンピック選手に育て上げるのに、費用はどれくらいかかるのだろうか?と考えてしまいます。

 

また、その子がたとえ優れた身体能力を持っていても、生まれた家庭の経済環境によっては、オリンピックなど夢のまた夢に終わるのだろうか、とも。

 

ここにも、日本社会に横たわる大きな問題である経済格差が暗い影を落としているようです。

 

 

「どのくらいかかるのだろうか?」

メダルラッシュが続いた日本人選手の活躍を見ていて、「ここまでくるのに、どれくらいの費用がかかったのだろうか?」と下世話な疑問が浮かんできました。

 

子どもの学費の捻出に四苦八苦しているだけに、余計に親目線になってしまいます。

 

2020年は東京オリンピック。「我が子を五輪の舞台で活躍する選手に育てたい」と思う人も当然、おられるでしょう。

 

でも、一流アスリートまで育て上げるとなると、スポーツ教室や用具類、コーチ代など素人が考えつくだけでも費用はかさんでいきそうです。

 

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フィギュアスケートの場合

冬季五輪の花形、羽生結弦選手が金メダルを獲得したフィギュアスケートを例にとって、いくら費用がかかるのかをみていきます。

 

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趣味で楽しむ程度なら、普通の習い事と大差はないらしいです。靴は約1万円、初心者向けスケート教室の月謝は週1回で5千円~8千円ですみます。

 

ところが、競技選手となると、靴は1足12万円と一気に跳ね上がります。成長期の小中学生だったら年に2足は必要になるでしょう。

 

上達に欠かせない個人レッスン代(30分で2500円~5000円)やリンクの貸し切り代(1時間2万円~5万円)に加え、遠征費や衣装代、振り付け代(1曲20万円~250万円)もかさみます。

 

これだと、一般のサラリーマン家庭では到底、出費することはできません。日本スケート連盟の強化選手になれば、選手本人とコーチ1人分の遠征費などが支給されますが、トレーナーや親が付き添う場合は自費となります。

 

そうこうして、1年間にかかる総額は2400万円~3800万円

 

5歳からフィギュアを始めて、20歳でオリンピックに出場したと仮定したら、16年間の総額は1億円超ということになります。はぁー。

 

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もちろん、実績を積み上げていけば、IOCやスケート連盟の強化費、試合の賞金、スポンサーの支援などが受けられるようになります。が、そういう選手はごく一握り。選手によっては借金をしたり、親の財産を売ったりしている例があるようです。

 

華やかな世界の裏には、過酷な現実があるのだと思います。

 

 

オリンピック選手の実態調査

2016年1月、笹川スポーツ財団が『オリンピアンのキャリアに関する実態調査』の結果を発表しています。

 

競技継続のための年間費用

夏季五輪 男性206万2千円  女性250万7千円

冬季五輪 男性245万4千円  女性460万9千円

 

引退した理由のうち「金銭的な理由」が占める割合

夏季五輪 男性7.1%  女性3.9%

冬季五輪 男性13.0%  女性30.4% 

 

 やはり、経済的な面での苦労があることがよくわかります。特に、夏季・冬季ともに女性選手の費用が男性より高くなっていることがわかります。

 

カーリング女子主将の本橋麻里選手が、今のチームを立ち上げた時、北見市内の企業をしらみつぶしに回って、「年間5万円の支援を」と資金カンパをお願いしていたことは、今でも語り草となっているようです。

 

資金が続けば競技が続けることができ、資金がなくなれば引退しなければならないという現実が、ここに読み取れます。

 

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スポーツ少年団で聞いた話

プロ選手やオリンピック選手を夢見る子どもにとって、まずは地域のスポーツ少年団に入って頑張ろう、ということになるでしょう。

 

最近、このスポーツ少年団について、こういう話を耳にしました。

 

  • 親の負担が大きすぎる。送迎や応援、グランド整備、試合会場の手配、会計管理、コーチへのお礼や飲み会のセッティングまで。土日は夫婦そろって朝から晩までお手伝い。
  • 送迎の当番があたったら、子どもを5~6人車に乗せないといけない。でも、うちは軽自動車しかなくて。ワゴン車なんて買う余裕はないのに。
  • 夫婦共働きで、土日はどちらかが仕事で出ている。だから、スポ少はムリ。子どもには最初から、スポ少があるスポーツに興味を持たないよう仕向けてきた。

 

極論かもしれません。スポ少によって事情が異なることも、コーチも含めてみんなボランティアでやっていることも理解しています。

 

その上で、婦共働き家庭で土日も仕事があるケースや一人親家庭の場合、現状のスポーツ少年団で子どもが活動するのは、一般論として、困難なようです

 

国は年金の試算などでは、「夫婦(専業主婦)と子ども2人」をモデル家庭としていて「現状にマッチしていない」と批難されることがありますが、スポーツ少年団も同様のモデル家庭を前提にしているのではと感じてしまいます。

 

 

「経済格差」が「スポーツ格差」にならないように

家庭の経済力と子どもの学力は比例していると様々な調査で示されています。

 

その上、家庭環境によって、子どもが幼少期に触れるスポーツにまで、機会が均等でなくなれば、どうなるのでしょう?

 

オリンピック選手やプロスポーツ選手の家庭環境を調べてみたら、平均年収が2千万円だったとなったら、何か夢までもぶち壊れてしまいます。

 

「経済格差」が「スポーツ格差」になるなど、いやな社会です。

 

オリンピック選手になってばく大な費用がかかってくる以前に、せめて、夢を抱いてスポーツに触れる機会は平等にしていきたいものです。

 

以上、『オリンピック選手の育成費用と経済格差』でした。

 

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www.iwgpusnever.com