今回は、「ベスト・オブ・スーパージュニア」リーグ戦、ウィル・オスプレイvs石森太二、ドラゴン・リーvsSHO、髙橋ヒロムvsエル・デスペラードの3試合です。
夏の「GⅠクライマックス」に並ぶ新日本の2大シングルリーグ戦、軽量級最強戦士決定戦と銘打たれています。
ウィル・オスプレイ vs 石森太二
GHCジュニア王座にもついたノアの実力者・石森太二が、バレットクラブ入りを果たして新日本ジュニア戦線に殴り込みです。
先々週の放送では、石森がオスプレイのIWGPジュニア王座防衛の試合後に乱入し、決め技ブラディー・クロスでKOしたという遺恨を引きずってもいます。
怒りの表情を隠さないオスプレイは開始のゴングとともに猛ラッシュ。場外でのもみあいで鉄柵に振られるものの、飛び越えてカメラが設置されてあるステージに飛び乗り、そこからトペコンヒーロ。
TV解説の獣神サンダー・ライガーも「おい、何人だ?もう笑うしかない」と驚嘆し、呆れていました。驚異の身体能力とは、このことです。
さらにオスプレイの怒濤の攻撃が続きます。トップロープに引っかけている石森めがけて、トップロープからのシューティング・スタープレス。技もそうですが、こんな動きは見たことがありません。オリンピックの体操選手がレスラーになったら、こういう動きをするのでしょうか?
番組の編成上、オスプレイの華麗な動きばかりが映し出されますので、一方的な試合展開かと思われますが、フィニッシュは突然訪れます。オスカッターをかわした石森がブラディ-・クロスを決めて勝利します。
石森太二のレスリングをもっと見たかったのですが、こういう編成をされると、奇跡の逆転勝利としかみえません。もう少し、編成上の工夫を願いたいところです。
ドラゴン・リー vs SHO
タッグ専門のSHOがシングルプレイヤーとしてどうなのかと言う点に興味がありましたが、これも編成上の都合からか、あっという間にリーがデスヌカドーラで勝利です。
ドラゴン・リーといえば、CMLL世界スーパーライト級王座、同ライト級王座を獲得したメキシコのトップレスラー。ほんの少しの時間しか映らなかったものの、スピード・パワー・技のキレともに一流だとわかりました。
髙橋ヒロム vs エル・デスペラード
試合前のいわゆる「煽り映像」では、髙橋ヒロムが「俺はお前が誰だか知っている。だから俺はお前のことが大嫌いだ」と子ども用の画用紙に書いてわめいていました。
何のことだかさっぱりわかりませんが、試合後にその「落ち」があるものと期待しましょう。
開始のゴング前から髙橋はつっかかっていきます。場外乱闘では、後楽園ホールの2階席までデスペラードを連行し、通路を猛スピードで走っての正面蹴りを見舞います。このあたりの技の見せ方、技のチョイスは天才的です。
何に怒っているのかわかりませんが、テレビ解説のミラノコレクションも「怖いヒロムが出てますねえ」、「ヒロム選手は怒ると勝敗抜きで相手をボコボコにしますから」と言うほど、ラフファイトに徹していきます。
一方、デスペラードは終始、落ち着いていたのがよくわかりました。髙橋のラフファイトにつきあうと見せかけて、逆エビ固めで攻めたりとオーソドックスな技で対抗しています。
背後からのフランケンシュタイナーで髙橋を脳天からマットに突き刺して、決め技ピンチェ・ロコで勝利です。往年のアントニオ猪木が延髄斬りからバックドロップで締めていたのを思い起こしました。
そして、前段の話の「落ち」はどうなるのでしょうか?マイクを持ったデスペラードが種明かしをするのでしょうか?
おい、ヒロム。あんなに待っていたのに、大嫌いなんて寂しいこと言うなよ。
(俺が誰か)答合わせしてやってもいいぞ。お前、わかるって言っただろ。じゃあ、隠したってもう意味ねぇもんな。
(ここで、デスペラードがマスクを脱ぐそぶりをし、会場がどよめく)
んなわけねぇだろ、バカどもが。いつもいつも自分たちのハッピーエンドになると思うなよ、これが現実だ。俺の方がヒロムより強かった。
うーん、「落ち」としてはイマイチ。もうひとひねり欲しかった!
以上、『『ワールドプロレスリング』観戦記 2018年6月14日放映 ベスト・オブ・スーパージュニア 髙橋ヒロムvsエル・デスペラード ほか』でした。