東京医大不適切入試の影響か? 私大医学部志願者が7%減に!

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鳥取大学医学部HPより

「私大医学部の入試は、浪人と女子は不利」

 

私が浪人して予備校に通っていた頃から、半ば「都市伝説」のように語られていました。

 

東京医大の不適切入試疑惑は、都市伝説が事実であったことが明らかとなり、とても驚いています。

 

文部科学省の調査では、東京医大のみならず複数の大学で疑いがあるとのこと。こうした不透明な状況を嫌ってか、2019年の入試では私大医学部の志願者が前年に比べ7%減少しています。 

 

  

複数大学の医学部、不適切入試の疑い

文部科学省は、全国81の大学医学部をの入試についての調査を行った結果、複数の大学で不適切な入試が行われていた疑いがあることがわかりました。

 

東京医大の入試で、女子や浪人年数の多い男子への不利な扱いがなされていたことを受けてのもので、性別や浪人年数で合格率の差が大きい大学を中心に訪問調査をしたとのことです。

 

不適切入試の疑いが持たれている大学には、順天堂大学や昭和大学が含まれていると報道されています。

 

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東京新聞より引用

 

また、文部科学省は大学ごとの過去6年間の男女別合格率を公表しています。疑惑の発端となった東京医大の男子の合格率は女子の1.29倍、疑惑が持たれている順天堂大は1.67倍、昭和大学は1.54倍となっています。

 

 

東京医大不適切入試のカラクリ

東京医大の入試は、1次試験は英語・数学・理科の全問マークシート式と2次試験の小論文に分かれます。

 

2次試験の小論文では受験者全員に「0.8」を掛ける得点操作が行われていました。男子の場合、減点後に現役と1浪と2浪の受験生には一律20点、3浪生には10点をそれぞれ加点されていました。

 

女子と4浪以上の男子には加点がなされることがなく、結果的に、女子と三浪以上の男子の得点が抑えられていたということです。

 

とても酷い話です。現役という同じ立場で受験した男女が、答案が白紙の段階で男子が20点、女子が0点とすでに差がつき、パーフェクトな答案を書き上げても女子は80点にとどまるということなのです。

 

女子と多浪生を差別する理由として、産経ニュースの記事を引用します。

 

女子受験者の合格者数抑制について、大学関係者は「女性は結婚や出産を機に職場を離れる人が多く、女子合格者を抑え、系列病院の医師不足を避ける目的があった」と話している。

3浪以上の多浪生をしぼった理由について「浪人を重ねている人は医師国家試験の結果も良くないという相関関係が出ている」としている 。

 

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私大医学部志願者は7%減

東京医大の入試をめぐって文部科学省の幹部職員が起訴されたことをきっかけに、今回の点数加算が発覚しました。

 

私の予備校時代(20年以上も前)から、「私大医学部は女子と多浪生は不利」という都市伝説まがいの噂がありました。

 

噂にとどまれば良いのですが、実際に、予備校の講師から説明されたこともあります。おそらく模擬試験の偏差値と実際の入試の合否との関係性から推察すると、点数操作がなされているとしか言えない現状があったのでしょう。

 

今回の文部科学省の調査で、都市伝説は事実であったことが証明されました。受験生は、特に女子や多浪生はたまったものではありません。

 

こうした状況に不信感を持つのも当然で、予備校大手の駿台予備学校によると、医学部の志願者数は減少しているとのこと。

 

今年(2018年)9月の模擬試験で志望校を集計したところ、全国の私立大学医学部の志願者数は前年同期比で7%の減となっているといいます。そして、問題の発端となった東京医大は11%の減となる一方で、女子医大系は志願者数が増加する傾向にあるともいいます。

 

 

おわりに

私学である以上、どのような採点をして誰を合格させようと自由だ、と言ってしまえばそれまでです。

 

それならば、「我が大学は男女の合格比率を6:4とする」「4浪以上は基本的にお断り」と堂々と募集要項に謳うべきです。そうすれば、受験生の側も「ここは、そういう大学なんだ」と判断することができます。

 

少なくとも、採点の基準ぐらいは示されないと、受験生がかわいそうでなりません。

 

 以上、『東京医大不適切入試の影響か? 私大医学部志願者が7%減に!』でした。