来年夏の参院選前に「消費増税」の撤回がありうるぞ!

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政府は、来年(2019年)10月に消費税を10%に引上げる消費増税を予定通り実施することを決めました。

 

政府内外で増税への準備を進める狙いがあるとされますが、本当にそうなのか?1年先の経済状況は誰にもわからないのに、なぜ、今、言い出すのか?

 

どうも別の狙いがあるように思えてなりません。

 

来年夏には参議院議員選挙があります。苦戦が予想されるのならば、「消費増税撤回」が選挙公約になるかもしれません。

 

 

 

 

消費増税を来年10月に実施

安倍首相は来年10月の消費増税を予定通り実施する考えを示し、増税後の景気の落ち込みへの対策を講じると強調しました。中小小売店への支援や自動車・住宅の購入支援といったものです。

 

しかし、これらの対策は今年6月に決めた「骨太の方針」とほぼ同じで、新味はまったくありません。

 

そもそも消費税の税率を上げることは消費税法に明記され、9月の自民党総裁選挙でも首相自身が繰り返し述べてきています。

 

それなのに、なぜ、今、消費増税をやるとわざわざ強調するのでしょうか。

 

 

疑われる首相の本気度

問題なのは消費増税に対する安倍首相の本気度です。

 

一国の首相が1年先に政策を実施するというのですから、政治家特有の「不退転の決意でやる」というような強い表現が用いられるはずです。

 

ところが、報道ベースで確認した限り、そのような言い方はされていません。それどころか、首相は消費増税を「予定」と表現し続け、菅官房長官は経済情勢を見極める姿勢をにじませ、首相側近は「首相は最終判断していない」と言う有様です。

 

つまり、逃げ道はしっかりと作っておいた上での今回の閣議決定なのです。首相の本気度が疑われても仕方ありません。

 

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反対論が根強い自民党

5%の消費税率を8%、10%と段階的に上げていくことは、2012年8月、当時の民主党政権が主導する形で自民党と公明党との3党が合意して決まったものです。「社会保障と税の一体改革」というものです。

 

当時、野党だった自民党の中には民主党主導で決まったことに、今だに面白くはない感情を抱いていて、慎重論・反対論は根強いものがあります。

 

安倍一強で強い締め付けのある自民党ですから、今のところ声高に反対論をぶち上げる人は出ていません。

 

しかし、来年夏には必ず参議院議員選挙が行われます。

 

2014年11月、2016年6月の2回、消費税率10%への引上げを「厳しい経済情勢」を理由に延期しました。消費増税を延期した後に、衆議院の解散・総選挙を行い、自民党は大勝しています。

 

衆議院選挙前には消費増税の延期を決めて大勝し、参議院選挙の前には消費増税を行うとは何事だ!との声が、選挙を控えた参議院側から上がってくるのは時間の問題だということです。「そもそも消費増税そのものに反対だった」という声も添えられて。

 

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参院選の目玉政策は「消費増税撤回」?

今年9月の自民党総裁選では、安倍首相は石破茂氏に地方票で思わぬ苦戦を強いられました。また、自民・公明両党が総力をあげて戦った沖縄県知事選では野党系候補に大差で敗れました。

 

自民党内には、都市部はいざ知らず、地方は安倍首相で戦えるのかという不安の声があがっています。

 

さらに、野党共闘の取り組みがスムーズに進んで各地方で候補者の一本化に成功していった場合、「消費増税反対」を訴える野党候補に勝ち切れるのかとさらに不安の度は増していきます。

 

参議院選挙の苦戦が予想されていった場合、さすがに自民党内も静かなままではすみません。安倍首相にしても、参議院で議席を大幅に減らすようなことになれば、念願の憲法改正も出来なくなってしまいます。

 

そこで、安倍首相はあらかじめ作っておいた逃げ道に逃げ込むのです。そして、タイミングを入念に見計らって会見をします。

 

「昨年10月、消費税を10%に引上げることを予定し、政府として準備を進めて参りましたが、良好だった世界経済に変調の兆しが見え、リーマンショック級の危機が到来する可能性もあることから、本年10月の消費増税は延期すべきとの考えにいたりました。つきましては、こうした政府の考えについて、来る参議院議員選挙で国民の信を問いたいと存じます。」

 

普通は「やる」と言ったことを「やらない」と「うそつき」となりますが、税だけは逆に歓迎されるようです。10%に上がってしまうと諦めていただけに嬉しさも倍になるかもしれません。

 

また、会見の直後から株価は大幅上昇するに違いありません。今の世代にとって良いことづくめかも。もちろん、ツケを回される将来世代はたまったものではないでしょう。

 

以上、『来年夏の参院選前に「消費増税」の撤回がありうるぞ!』 でした。