私の友人が株の専業トレーダーになって、わずかな期間で「億り人」になったことは以前にも記事にしました。
先日、その友人と久しぶりに飲む機会があり、彼の手法をいろいろと聞くことができました。
そこで、今回は、株を買う時と同じくらいに悩む売り時について、こっそり聞いたことをお知らせします。彼が言うには、「株には3つの売り時がある」とのことです。
株の売り時がわからない・・・
株の売買をしていて、買う時と同じくらいに悩ましいのが売り時です。
「買った株がせっかく上昇したのに、売るタイミングを逃してしまい、その後下落してしまった・・・」
「買った後に下がってしまって、売るに売れないまま持ち続けたら、買った値の何%も下がってしまった・・・」
こうした経験は、株をやっている人の多くが経験しているはずです。私も1度や2度では済みません。
「億り人」の友人も、「自分も何度も痛い目にあった。完璧な売りのタイミングを知ることは不可能」と言った上で、「自分なりにルールを決めている。3つのルールがあって、そのどれかにあてはまったら売ることに決めている」とのことでした。
その3つのルールとは、①株価が目標に達した時、②株を買った理由が崩れた時、③もっといい株が見つかった時、です。
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①株価が目標に達したら売る
株価が目標に到達したら売る、というのは理想的なパターンであることは誰にでもわかります。
ただ、問題は目標の立て方。一番いけない目標は、「利益が○○円」というものです。これだとどうしても欲に目がくらみ、「もう少し利益が出るだろう」「もう少しでキリのいい○○円のプラスになる」となってしまい、タイミングを逃すことになります。
やはり、あくまでも株価のみに注目していくこと。友人は、株価チャートとにらめっこをして、過去の高値、あるいは過去のもみ合いゾーンに目標を設定しています。
過去の高値やもみ合いゾーンは、過去にその価格帯で株を買ったまま持ち続けている人たちの売りが出やすくなるところであり、いったん株価上昇が止まりやすくなる水準でもあります。
また、高値やもみ合いゾーンが目標にふさわしくないケースも当然あります。何日も連続して上昇し続けている場合などです。その時は、25日移動平均線に注目します。株価が25日線を割り込んだら売り、と決め、できるだけ上昇する値動きについていくということです。
こういった節目になる株価を目標に設定し、いったんは売ってしまって利益を確定するというわけです。
もちろん、ルールに従って売ったら、その後も上昇し続けることもあります。その場合は、「腹立つけど、頭は他人にくれてやれ」と割り切るのだそうです。
②買った理由が崩れたら売る
2つめの売り時は、買った理由が崩れた時、です。
例えば、業績の良さを理由にその株を買ったのに、業績見通しが下方修正されたというように、予想外に悪い数字が出てきたら「売り」となります。欠陥商品が見つかったというような悪材料が出た場合も同様です。
また、将来性が高いと思って買ったのに強力なライバルが出てきて競争が激しくなってきた場合も「売り」です。
「上昇している人気株」という理由で買う人も多いでしょう。この理由が崩れた時、すなわち「上昇が止まり、人気がなくなる」状態、すなわち、チャートが壊れたきた時か、過熱感が出てきた時が売りとなります。
③もっといい株が見つかったら売る
3つめの売り時は、もっといい株が見つかった時、です。
投資資金には限りがあります。いくら良い銘柄をいっぱい見つけても、全部を買うことはできません。
友人は、お気に入り銘柄のストックをいつも多めに持っておいて、様子を見ながら随時、保有銘柄の入れ替えを行っているといいます。
例えば、同じ業種でビジネスの中身や業績が同じくらいに魅力のある銘柄があったとします。片方がPER10倍まで上昇したのに、もう片方が6倍いとどまっていたら、迷わずPER10倍の方を売って6倍の方に乗り換えるべきだということです。
ここで陥りやすい罠は、株に愛着を持ってしまうことです。それなりの期間、保有していて、かつ、株主優待とかでお得な経験をすれば、尚更、愛着がわいてきて売るのを躊躇しがちになります。
この点を指摘すると、友人は「それはよくわかる」としながらも、「お前が愛着を持っていても、株は君に愛情を注いではくれない」とバッサリと切り捨てられました。
常に銘柄探しを行い、ピックアップした株の中から、ベストメンバーを組むつもりでポートフォリオを見直していくことが重要。「株に愛着を持つくらいなら、もっと家族に愛情を注げ」ということです。
おわりに
「億り人」となった友人も、何度か挫折を味わっていると言います。思い悩み、考え抜いて彼が打ち立てたスタイルは「メリハリをきかす」こと。
有望だと思った株は思い切って買い、ダメだと判断した株は損をしてでもズバッと売る、ということです。
ダメでも気持ちを切り替えて、次の銘柄にチャレンジする。このイメージを心に焼き付けているのだそうです。
以上、『「億り人」にこっそり聞いた 株には3つの売り時がある!』でした。