ビザなしで渡航できる国の数でランキングしたものが、イギリスの民間会社が発表しました。
なんと、日本は第1位です!
ビザなしで入国が許可されるということは、それだけ日本の信用度が高いということ。
まさに、日本のパスポートは信用度最強です。でも、だからといって、不用心すぎるのも問題です。特に、北朝鮮、イスラエル、ロシアには十分に注意していかなければなりません。
信用度最強の日本のパスポートをもってしても、北朝鮮、イスラエル、ロシアへの注意点を紹介します。
2018年版パスポート自由度ランキングで日本1位
各国の市民権や永住権の取得支援を手がけるイギリスの「ヘンリー・アンド・パートナーズ」という民間会社が、ビザなしで渡航が可能な国の数のランキング「パスポート自由度ランキング」を発表しました。
調査の対象となったのは、199の国と地域。国連加盟国が193カ国ですから、ほぼ世界全域をカバーしています。
その中で、日本は堂々の第1位に輝きました!
後述しますが、ビザなしで渡航できる国が多いほど、その国の信用度が高いということになります。まさに、日本のパスポートは信用度最強となりました。
ちなみに、「パスポート自由度ランキング・ベスト10」は以下の通りです。
自由度ランキング ()はビザなしで入国出来る国の数
- 日本 シンガポール (180)
- ドイツ (179)
- デンマーク フィンランド フランス イタリア スウェーデン スペイン 韓国 (178)
- ポルトガル オランダ ルクセンブルク オーストリア イギリス ノルウェー (177)
- カナダ アメリカ アイルランド スイス (176)
- ギリシャ オーストラリア ベルギー (174)
- マルタ チェコ ニュージーランド (173)
- アイスランド (172)
- ハンガリー (171)
- ラトビア (170)
ランキング最下位はアフガニスタン(24)、続いてイラク(27)、シリア(28)、パキスタン(30)、ソマリア(32)の順となっています。
パスポート信用度最強の持つ意味
「パスポート信用度ランキング」1位の日本ですが、これは、180の国にビザなしで、パスポートだけで渡航できることへの評価です。
ビザ(査証)とは、その人物が持っているパスポートが有効であり、かつ、その人物が入国しても何ら問題はないことを示す証明書です。
どの国も、外国人が不法滞在したり、麻薬等の密売、人身売買、テロ活動、スパイ行為などを警戒します。犯罪歴などの身元審査によって入国するにふさわしいと判断された人物に対して、ビザが発給されることになります。
このビザが不要ということは、その国のパスポートの保有者ならば、無条件で入国を許可しても差し支えないと判断されているということです。
日本が180もの国々からビザが不要と判断されているのは、政治的な安定、経済的繁栄、文化・教育レベル高さなどが総合的に判断された結果です。これを大いに誇ってもいいと思います。
ちなみに、日本は中国に対しては、不法滞在や人身売買の懸念があるため、一定の貯蓄がある者に限り、ビザなしでの来日を認めています。ということは、富裕層ですね。一時、「爆買い中国人」が話題になりましたが、こういう背景もあるのです。
信用度最強の日本のパスポートですが、世界中どの国に行こうと何の問題もない、というわけにはさすがにいきません。特に、北朝鮮、イスラエル、ロシアには要注意です。
北朝鮮にはご注意を!
信用度最強の日本のパスポートですが、北朝鮮には通用しません。理由は簡単です。国交がないから、です。
日本と北朝鮮には国どうしの正式な関係がありません。したがって、北朝鮮には日本大使館は存在しません。
「でも、北朝鮮に旅行に行った人がいるよ」との声が聞こえてきそうです。国交がないからといっても、全く訪問できないことはありません。
日本人が北朝鮮を訪れようとする場合、あらかじめ中国・北京の北朝鮮大使館に出向き、ビザを発給してもらわないといけません。この作業はわりと面倒なので、日本にいくつかある朝鮮ツアー専門の旅行社に代行してもらうことが多いようです。
北朝鮮に入国できても、日本のパスポートは何の効力も発揮しません。パスポートをパスポートとして認識するのではなく、「日本という国が作成した本人確認書類」くらいにしか思われません。実際、入出国の際にスタンプを押されることもありません。
また、海外でトラブルに巻き込まれたときは、現地の日本大使館・領事館がサポートしてくれますが、北朝鮮にはそれがないので、誰も助けてはくれません。
さらに、北朝鮮入国時に発給されたビザも、出国時には回収されますので、手元には入国した証拠すら残らないようになっています。一方で、ビザの申請の際に必要な個人データは北朝鮮に保管されたままです。
何だか、薄気味悪くないですか?
ちなみに、日本の外務省は北朝鮮への渡航の自粛を呼びかけています。
イスラエルにはご注意を!
日本のパスポートそのものに原因があるわけではありませんが、イスラエルへの入国を示すスタンプがパスポート上にあると入国を拒否する国があります。「これは日本のパスポートだぞ」と言っても、何の効果もありません。
具体的には、イラク、レバノン、リビア、サウジアラビア、スーダン、シリア、イエメン、ソマリアといった国々です。
これらの国々は、イスラエルと政治的・宗教的に敵対関係にあるため、イスラエルへの入国のスタンプがあると入国を拒否されます。また、上記の国への入国スタンプがあれば、イスラエルも入国を拒否してきます。同じ理由です。
入国拒否までには至らなくても、マレーシアやシンガポール、トルコなどイスラム教の国は、イスラエルへの入国歴のある人物を極端に警戒します。場合によっては、入国審査の際、別室に連れて行かれて詳しく事情を聴かれるというケースもあるようです。
ロシアにはご注意を!
日本からロシアに行くには、ビザが必要となります。なぜ、大国ロシアがと思いますが、ソ連邦時代に外国人はみなスパイと見なしていた名残りだとか、発行手数料で外貨を稼いでいるだとかいわれています。
日本のパスポートも当然、効果を発揮します。意外に思うかもしれませんが、ロシアには親日家が多く、パスポートを見せるとニッコリされたことが何度もありました。
ただ、ご注意願いたいのは、北方領土への渡航です。
言うまでもなく、北方領土(歯舞・色丹・国後・択捉)は日本の固有の領土です。しかしながら、現在は、ロシアが実効支配し、行政権を行使しています。
日本人が北方領土に行こうとする場合、ロシアにビザを発給してもらわないといけません。ロシアにビザを発給してもらい、日本のパスポートを持って渡航するということは、すなわち、北方領土はロシアの領土だと認めたことになります。
戦前、北方領土に住んでいた人が墓参りなどで渡航していますが、これは政府同士が特別にビザ不要で合意しているからです。
「そんなの関係ねえ」とばかりロシア発給のビザで北方領土に行くのは自由ですが、パスポート等に記録は残りますし、何かあれば批判の対象になりかねません。
実際、北方領土の国後島で海産物関係のビジネスをやっていた日本企業は、「ネトウヨ」の餌食となり、連日、右翼の街宣車が会社に押しかけ、倒産寸前のところまで追い込まれていました。
日本の外務省は、北方領土への渡航の自粛を呼びかけています。
まとめ
まあ、北朝鮮もイスラエルも北方領土も、普通は行こうとは思わないので、多くの人にとって関係のある話ではありません。こういこともあるのか、くらいにとどめていただければ結構かと。
とにかく、どんな分野であれ、世界一というのは気分の良いものです。
以上、『日本のパスポートは信用度最強。でも、北朝鮮、イスラエル、ロシアにはご注意を!』でした。