「風邪をひいたら風呂に入るな」は日本だけ!名医おすすめの風邪の対処法は風呂

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昔から、最も身近な病気といえば「風邪」。

 

治し方は安静にしていることで、特効薬を開発すればノーベル賞ものと言われます。

 

そして、風邪をひいいたら「風呂に入るな」ともよく言われます。何か常識のようになっていますが、実はこれ、日本だけ。ヨーロッパでは逆に、風呂に入るのが当たり前となっています。

 

《風邪をひいたら風呂に入らない日本人》

風邪を引いたら、風呂には絶対に入らず、静かに横になって回復をはかるのが一番。そう信じている人が多いでしょう。

 

実際、民間の医療系シンクタンクの調査でも、6割近い人が「風呂には入らない」と答えています。

 

   風邪と入浴の関係

  1. 風呂には入らない・・・57.2%
  2. 湯船だけつかる ・・・26.8%
  3. シャワーを浴びる・・・14.6%
  4.  その他     ・・・1.4%

 

このデータをみると、「風邪をひいたら風呂に入るな」はもはや常識。おかげで、夏場に風邪を引いてしまうと、汗で体中がベタつくのを我慢しなければなりません。

 

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《「風邪をひいたら風呂に入るな」は日本だけ》

もう随分と昔になりますが、イギリスに語学留学していたことがあります。ホームステイ先の16歳の男の子が風邪をひいた時、母親が「すぐにお風呂に入って、早く寝なさい」と言っていて、とても驚いたことを覚えています。

 

イギリス人にとって、風邪をひいたら風呂に入るのが当たり前だとその母親は言うのです。気になっていろいろ聞いてみたのですが、ヨーロッパではだいたい、これが常識となっていました。

 

「風邪をひいたら風呂に入るな」は日本だけで、世界ではまったく逆になっているのです。

 

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《名医おすすめの風邪の治し方第4位は風呂》

ヨーロッパで常識となっている「風邪をひいたら風呂」は本当でしょうか?

 

『林修の今でしょ!講座3時間スペシャル 名医もプライベートでやっている!最新版かぜの予防法&治し方』という番組で、名医がすすめる風邪の対処法として「お風呂に入ってすぐに寝る」が第4位にランクされていました。あのイギリスの母親とまったく同じですね。

 

番組では帝京大学医学部付属病院の新見正則准教授が医学的に解説しています。

 

のどの奥にあるせん毛というヒダがあるんですけど、せん毛は乾燥するとへたっちゃう動かなくなる。せん毛というのは、外からのウィルスなどの異物を外に押し出してくれる役割をするんですね。

(風呂の湯気の湿気でせん毛の機能が戻り)それが活発に動くことによって、ウィルスとか異物を外に押し出して、風邪のさらなる悪化を防いでくれるんです。

そういう点で、風呂の湯気を吸うことによって、のどの乾燥を防ぐことは非常に重要なんです。

 

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また、風呂に入ることによって血行が良くなって新陳代謝を高めるので、回復を促してくれる点、熱が出ると汗をかいた際、風呂に入って皮膚を清潔にすることで発汗作用がスーズになり、免疫力を高めるという点も強調されていました。

 

ただ、風呂に入ってもいいけれど条件がある、と新見准教授は言います。

 

風邪を引いてもお風呂に入って良いんですよ。ただ、条件は、すぐ寝れば。いけないのはね、多分わかんないよね、『神田川』ですよ。石けんをカタカタ鳴らすってことは、冷えてるわけですよ。いくらブローしても、冷たいわけ。そうすると、また気化熱で冷えるから。冷やしちゃいけない。結局、お風呂に入ってもすぐ寝れば、温かい状態なので。キーワードは「暖める」。

 

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《「風邪を引いたら風呂に入るな」が広がった理由》

では、なぜ、日本だけで「風邪を引いたら風呂に入るな」説が広まったのでしょうか?その理由は、日本の住環境にあるようです。

 

今でこそ、自宅に風呂があるのは普通のことですが、歴史的に長い間、日本の住宅には風呂はありませんでした。あったとしても屋外というケースが一般的でした。

 

庶民の多くは銭湯に通っていました。風呂で暖まっても、自宅に帰る途中で身体が冷えるリスクがありました。

 

また、日本の住宅は木造建築であるので、すきま風が多く、保湿性も低かったことも身体を冷やす原因となりました。

 

つまり、風呂に入ることそのものが問題とされたわけではなく、入った後に湯冷めするとかえって体調が悪化するという理由で、「風呂に入るな」説が広まることになったということです。

 

ちなみに、ヨーロッパの住宅は石やレンガで作られており、すきま風もなく、保湿性も高いため、日本のような湯冷めの心配はありませんでした。

 

《まとめ》

日本の住宅環境は大きく変わりました。風呂が自宅内にあるのは当たり前、保湿性も格段に向上し、暖房器具も完備されています。もはや、「風邪を引いたら風呂に入るな」説の理由は存在しません。

 

ただ、湯冷めしてしまってはいけません。新見准教授が言うように、風呂から出た後はすぐに身体を拭いて布団に入ることが重要です。

 

風邪を引いてしまったら、お風呂を上手に活用して、いちはやく元気になりたいものです。

 

以上、『「風邪をひいたら風呂に入るな」は日本だけ!名医おすすめの風邪の対処法は風呂』でした。