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楽天やマリノスで始まった「価格変動制チケット」 ファンにとってメリットは?

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以前から航空機の搭乗券やホテル宿泊料金にみられた「価格変動制」。

 

今やコンサートやプロスポーツなどにも広がっています。でも、これは本当にファン目線に立っているのでしょうか?

 

Jリーグの横浜マリノスのチケットを試合前日に6,900円で購入した友人は、同じ席が当日券だと7,600円だったと大喜びしていましたが、逆に当日券を購入したファンは複雑な心境でしょう。

 

そこで、この「価格変動制チケット」について、ファン目線から考えてみました。

 

 

 

価格変動制チケットとは?

価格変動制チケット(ダイナミックプライシング)とは、消費者の需要を見ながら、AI(人工知能)が販売価格をひんぱんに調整していくものです。

 

以前より航空機の搭乗券やホテルの宿泊費に用いられてきた手法でもあります。観光シーズンや休日などの期間とそうでない期間とでは、飛行機代やホテル代が倍近くも開きがあることは経験済みだと思います。

 

プロ野球やJリーグなどのスポーツの価格変動制チケットは、対戦相手や先発投手、その日の天候、順位(首位攻防戦)などによって、ファンの需要の変化に応じてチケット代がリアルタイムで変動していきます。

 

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引用元: http://ai.2ch.sc/test/read.cgi/newsplus/1500169182/

 

実際の価格変動はどうなるのか

横浜マリノスのファンである友人は、8月の平日にサンフレッチェ広島との試合の応援にニッパツ三ツ沢球技場に足を運びました。

 

試合前日にSSS席を6,900円で購入していた彼は、スタジアムの当日券売り場に「SSS席7,600円」と掲示されているのを見てびっくりしたとのこと。AIが当日、人気が高いと判断して700円も上げたということになります。

 

前売りよりも高くなった席がある一方で、一般席3,800円と前売りよりも800円安くなった席があったようです。

 

当日券売り場では、「やったー、ラッキー」という声と「クソ-、損したぁー」という声が交錯して、場外馬券売り場みたいだったと友人は語ってくれました。

 

 

ファンにとってのメリット

横浜マリノスはスタジアムの4分の1にあたる指定席に価格変動制チケットを導入しました。その結果、観客動員数が目標とする1万人を超えたほか、売上げも通常の1割増しとなったとのことです。

 

「当日券が安くなっているから、観戦に行こうか」という心理が働くことは十分に考えられます。それでチケットが完売し、スタジアムが満員になれば言うことなしです。

 

どのようなチケットを買ったにせよ、空席が目立って閑散としているより超満員のスタンドで観戦する方が、よりボルテージが高まるというものです。

 

また、チケットの不正高額転売への対策に有効だと考えられます。

 

インターネットでのチケット販売開始と同時に一挙に大量のチケットを購入するシステムを稼働させ、押さえたチケットを転売サイトに流して巨額の利益を得る業者がはびこっています。

 

こうしたダフ屋行為・転売サイトによって、人気アイドル歌手のコンサートチケットを巡る事件が絶えない状況ですので、価格変動制チケットであれば、転売サイトで買っても得しない状態を作りだすことが可能となります。

 

ダフ屋や転売サイトが得た利益は本来、主催者側が得るべきものです。その利益をもとに、さらに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれればファンにとって十分なメリットになり得るでしょう。

 

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ファンにとってのデメリット

価格変動制チケットを導入していないところは、例えば、プロ野球・阪神タイガースではシーズン前に料金表が公表されています。席ごとに「平日」と「土日祝・巨人戦」と分かれ、後者が前者よりも200円から300円高くなっています。

 

この料金表を見ながら、「週末は天気も良さそうだし、家族で甲子園に行こうか」となるわけです。

 

これが、価格変動制チケットが導入されれば様子は変わってきます。球場に行きたいけれど、前売り券を買っても当日券より高くなっては嫌だし、かといって当日券を買って前売りより高くついたら腹が立つし、ということで腕組みしてしまいます。

 

何だか株の売買に似ています。ある株に投資しようと決めても、今日よりも明日だと少し安く買えるのではないかと考えてしまって、結局、買い場を失うことに・・・。

 

また、天気予報が雨模様なので当日券が安くなるから球場へ行こう、という人もそんなに多くはいないでしょう。

 

AIが「人気カード」と見込んでも、ファンが疑心暗鬼になってチケット購入をためらったり、あるいは「値段が高すぎる」と購入を見送ることは十分に考えられます。

 

実際、先行して導入されているメジャーリーグでも、需要が高いと予測した人気カードで観客動員が前年を下回り、それほど人気が見込めないとされるカードで人気カードを上回る動員数になった例があります。

 

つまり、下手をすれば、ファンのニーズ・心理を汲み取ることができず、空席が増えるという結果になることがあるというわけです。

 

そして、ファンは財布と相談しながら、自分にとって最もお得なチケットはどれなのか、人気カードで値段がつり上がった場合には、いくらまで払えるのか、などに頭を悩ませなければならなくなるでしょう。

 

 

おわりに

オーストラリアのある映画館は、混雑する夜の時間帯に入場券だけでなく、スナックやドリンクの値段も上昇するシステムを導入しました。

 

しかし、それはダイナミックプライシングに名を借りた単なる値上げではないかと批判が強まり、すぐに中止になったそうです。

 

日本では、需給がタイトな時に値段をつりあげると、「人の足下を見やがって、強欲な会社だ」と非難が巻きおこりがちです。

 

価格変動制チケットはうまく機能すれば企業側の収益向上に貢献するでしょうが、価格決定の仕組みに対して不信感を持たれるようでは、ファンは離れていくことでしょう。

 

ただ、阪神ファンに限って言えば、勝ちさえすれば少々高くても誰も文句は言わないかもしれません。

 

以上、『楽天やマリノスで始まった「価格変動制チケット」 ファンにとってメリットは?』でした。