阪神ファン頼みの尼崎信用金庫 「ウル虎支店」まであるぞ!

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同じ阪神ファンの友達から一枚のチラシを手渡されました。

 

「がんばれ阪神タイガース定期預金 必勝虎願」とあります。尼崎信用金庫の金融商品で、阪神が優勝すれば総額5億円分の商品券が当たるというのです。

 

いくら阪神の地元の信金とはいえ、ここまで肩入れするとは・・・。

 

調べてみると、尼崎信用金庫はこれまでも阪神ファン頼みの経営を行ってきたようなので、その力の入れようを紹介します。

 

 

《尼崎信用金庫》

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尼崎信用金庫本店

まずは、尼崎信用金庫について。

 

1921年(大正10年)に設立された老舗の信用金庫です。

 

阪神タイガースの本拠地である甲子園球場は兵庫県西宮市ですが、隣接する尼崎市に本店があります。

 

出資金は約150億円、従業員数1400人、支店数93、預金量は兵庫県の信金ではトップと地域でも規模の大きい信用金庫です。「あましん」の愛称で地域から親しまれています。

 

「尼信博物館」と「世界の貯金箱博物館」という2つの企業博物館を持つなど、社会貢献活動も熱心に行っているようです。

 

人目を引く企画をやらないといけない新興の金融機関とは訳が違います。

 

 

《尼崎信用金庫ウル虎支店》

なんと、支店の中には「ウル虎支店」なるものも存在します。

 

ただ、これは一般の来店可能な窓口ではなくて、インターネット上の支店ということです。窓口に加えてここからも、「がんばれ阪神タイガース定期預金」の申し込みをすることが出来ます。

 

そういえば、ここ数年、夏には甲子園球場では「ウル虎の夏」というイベントが開催されています。ここから名付けたのでしょうか。

尼崎信用金庫 | ウル虎支店

 

 

《「がんばれ阪神タイガース定期預金」ー成績と金利が連動》

「がんばれ阪神タイガース定期預金」は1999年に取り扱いを始めた一年物の定期預金。尼崎信用金庫の看板商品です。

 

1999年のスタート時には、阪神タイガースのシーズン公式戦の成績と預金金利が連動するという商品でした。つまり、順位が上がるほど、利息がたくさんもらえます。

 

タイガースの優勝で通常金利の3倍、2位で2倍と設定され、2002年には預入総額が1,589億円となる大ヒットとなりました。

 

さらに、2003年にはタイガースの星野仙一監督(故人)の背番号77にちなみ、優勝した場合の金利を一気に7.7倍にまで引上げたのでした。商品名は、ズバリ「勝星77」。

 

ところがというか、何と言うべきか、2003年のタイガースは金本(現監督)を中心に打撃好調で、かつ、JFKと呼ばれる強力リーリーフ陣を擁して開幕から首位を独走。ダントツの優勝を18年ぶりに飾ったのでした。

 

当時の一年物定期預金の金利は0.68%。その7.7倍となったのですから、0.5%超える利息がついたことになります。Bクラスで終わっていれば1億6千万だった支払金利が、11億8千万円まで跳ね上がりました。

 

これには、さぞかし、経営陣は青ざめたことでしょう。さすがに、その後は優勝時は5倍以下に収めるなどして同じ方式をとったものの、2007年以降は現在の商品券方式を採用しています。

 

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尼崎信用金庫で配付されるタイガースグッズ

 

《「がんばれ阪神タイガース定期預金」ー商品券》

発売20年目となる今年(2018年)の商品名は「必勝虎願(ひっしょうこがん)」。昨年(2017年)は2位に甘んじ、クライマックスシリーズもファーストステージで敗退したことで、「今年こそは」の願いがこもったいいネーミングです。

 

この「必勝虎願」の内容としては、2018年10月末現在で預入元本が10万円以上の「がんばれ阪神タイガース定期預金」預金者は、タイガースが優勝すれば全国百貨店共通商品券5万円分が1万本、2位だと3万円分が1万本、3位だと2万円分が1万本、4位以下だと1万円分が1万本が抽選で当たります。

 

さらに、「超Wチャンス特典」と称して、日本シリーズで優勝した場合には、新たに商品券5万円分が千本が、優勝を逃した場合でも3万円分が千本、同じく抽選で当たります。

 

商品券の総額は最大で5億5千万円。尼崎信用金庫の2017年3月期の純利益は57億3千万円となっていますから、その1割近くをプレゼントしようというのです。かなりの太っ腹というか、こちらの方が「経営は大丈夫か」と心配になってきます。

 

 

《阪神ファン頼みの尼崎信用金庫》

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そこで気になる尼崎信用金庫の経営状況です。特に気になるのは、「がんばれ阪神タイガース定期預金」の関係です。

 

尼崎信用金庫の定期性預金の残高は、2017年3月末で1兆4,583億円。2017年に発売した「がんばれ阪神タイガース定期預金」(この年は「猛虎大願」)の預入件数は20万7,700件、預入金額が2,725億円となっています。

 

つまり、定期性預金残高の2割近くが「がんばれ阪神タイガース定期預金」が占めていることになり、これはこれで驚きの事実です。

 

これに加えて、フリーローンやカードローンなどのローン商品にも、「ウル虎カードローン」と名付け、タイガースにますます傾斜していっています。

 

 

《まとめ》

おそらく、尼崎信用金庫の経営陣には根っからのトラキチが揃っているのでしょう。そうでないと、ここまで徹底はされません。もうはやタイガース便乗商法の域を超えています。

 

タイガースファンとしても、嬉しい限りです。応援したいのはやまやまですが、定期預金するほどの・・・。

 

いずれにせよ、今年こそ、甲子園球場にも、尼崎信用金庫にも、心地よい「六甲おろし」が吹くことを願っています。

 

以上、『阪神ファン頼みの尼崎信用金庫 「ウル虎支店」まであるぞ!』でした。